2012年5月23日(水)
アフガンの国際治安部隊
14年に任務終了 確認
NATO首脳会議閉幕
【シカゴ=小林俊哉】米シカゴで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(サミット)は21日、閉幕しました。焦点のアフガニスタン情勢について、2013年半ばまでに同国全域でアフガン国軍が戦闘任務を主導するようにし、米軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)の任務を14年末までに終了させることを確認しました。
同日発表された「アフガンに関するシカゴサミット宣言」は、アフガン政府に治安権限が完全移譲される14年以降のNATOの関与についても言及。戦闘任務がアフガン国軍に移行するにつれ、ISAFの任務をアフガン側への訓練や助言などに切り替えるとしています。
アフガン国軍については、13年末までに35万2000人にまで増やした後、15年以降段階的に22万8500人にまで削減すると表明。年間41億ドルと見積もられている同軍の維持費については、国際社会による資金拠出のための仕組みを創設する一方、アフガン政府の負担は15年の5億ドルから順次増やし、24年までに全額負担とするとしています。
米英軍による2001年10月の開戦以来、11年目でようやくISAFの戦闘任務終了にめどをつけた形ですが、NATOの思惑通り進む保証はありません。加盟国内の反戦世論は強く、オランド仏大統領は今年中に駐留仏軍を撤退させる方針。秋に選挙を控えるオバマ米大統領も、地元シカゴでのサミットは大規模な反戦デモに迎えられました。
米政府は今月1日、アフガン政府と「戦略パートナーシップ」協定を締結。14年以降も「訓練」などの目的で一定規模の米軍を残留させますが、駐留が長期化するとの見通しもあります。
サミットは、NATOが進めている欧州全体を網羅するミサイル防衛計画についても、能力向上をさらにすすめることで合意。ただロシアは、これに強く反発しています。