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2012年5月17日(木)

国は廃止合意破るな

自立支援法 障害者ら各地で集会

薬害・原爆症訴訟団も連帯

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 今国会で障害者総合支援法案が審議される中、障害者自立支援法違憲訴訟全国弁護団・原告団は10〜16日に全国6カ所で集会を開き、合わせて2070人の障害者や関係者が参加しました。16日に集会を開いた東京、大阪、広島では「国は『基本合意』と『骨格提言』を無視するな」と訴えました。薬害や原爆症認定で国を訴えた集団訴訟の原告団・弁護団の共催。


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(写真)障害者総合福祉法の実現を求めて会場を埋め尽くす参加者ら=16日、参院議員会館

東京

 600人が参加した東京会場(参院議員会館)のパネルディスカッションには、他の集団訴訟弁護団の代表が参加。各訴訟で国が訴訟団と交わした基本合意を、民主党政権が反故(ほご)にする動きがあると告発しました。薬害肝炎東京弁護団の福地直樹事務局長は「原告や弁護団だけでなく、国民に対する重大な背信行為だ」と批判しました。

 自立支援法違憲訴訟弁護団の藤岡毅事務局長は「基本合意を守らない国は、債務不履行で契約違反状態だ」と批判。「骨格提言」に基づいた「障害者総合福祉法試案」を発表し「改めて、私たちの声を反映した法案提出を求める」と述べました。

 同訴訟の元原告、新井育代さん(40)の母親、たかねさん(65)は、民主党政権が基本合意を守らずにいることにふれ「誇りも期待も踏みにじられ、骨をも震える思いだ。だけど、私たちには『基本合意』と『骨格提言』という二つの宝がある。これをしっかり握ってあきらめずがんばりたい」と決意を述べました。

 日本共産党の穀田恵二、笠井亮両衆院議員と山下芳生、田村智子両参院議員が参加。みんなの党、社民党の国会議員も参加しました。

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(写真)「基本合意、やぶるなんて許さへん!」と開かれた集会=16日、大阪市

大阪

 「基本合意、やぶるなんて許さへん!集会」が16日、大阪市内で開かれました。「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会近畿ブロック会議」が開いたもので、近畿各地から会場いっぱいの250人を超える元原告らが集まりました。

 自立支援法違憲訴訟大阪弁護団の辻川圭乃(たまの)弁護士が報告。「国と原告が対等な立場で決めた『基本合意』を一方的にほごにすることは許されない」と批判。「障害者の思いが込められた『基本合意』実現へ全力を挙げましょう」と呼びかけました。

 各地の障害者自立支援法違憲訴訟の元原告が訴えました。奈良訴訟の小山冨士夫さんは「障害者をどこまで悲しませるのか、自立支援法廃止に向けて頑張る」と表明。原爆症認定集団訴訟など人権保障を求める10の訴訟団が「安心して生活できる国づくりのため、ともにたたかっていこう」と訴えました。

 滋賀県から参加した障害者作業所で働く男性(29)は「集会に参加して改めて国の約束破りに怒りがこみ上げてきました。この思いを周りに広げていきたい」と語りました。

広島

 広島の元原告や弁護団、障害者団体などでつくる「基本合意の完全実現をめざす広島の会」は16日、広島市東区で法案成立に反対するフォーラムを開きました。

 約160人が参加し、内閣府の諮問機関「障がい者制度改革推進会議」総合福祉部会の「骨格提言」に沿った新法を制定させようと力説しました。

 元原告の秋保和徳さん、喜美子さん夫妻と森岡靖夫さんが、それぞれ決意表明。全国の元原告71人を代表して当時の長妻昭厚労相と基本合意に調印した喜美子さんは「今回もまた悔しい屈辱を受けたが、こんなことで引き下がれない思いはますます強くなった」と訴えました。

 障害者施策の利用者、職員らが、現場の実態や要望についてリレー発言しました。


 障害者自立支援法をめぐる政府の動き 国は障害者自立支援法違憲訴訟団と2010年1月、同法廃止と新法制定を約束した基本合意を結び和解。その後、障害施策全般を見直すとして審議会を設置しました。審議会は昨年8月、新法制定に向けて「骨格提言」をまとめました。しかし、今国会に提出された総合支援法案は、自立支援法廃止を盛り込んでいないだけでなく、関係者からもっとも批判のあった「応益負担」をはじめとする同法の根幹を残したままです。


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