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2012年5月9日(水)

給付減強行 暮らし直撃

「一体改革」年金3法案 ここが問題

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(写真)年金引き下げに反対しパレードする年金者組合の人たち=4月13日、神戸市中央区

 野田内閣は、「社会保障・税一体改革」として、年金削減法案、被用者年金一元化法案、年金「機能強化」法案という年金に関する3法案を今国会に提出しています。

 一元化と「機能強化」の2法案は、衆院「一体改革」特別委員会で審議するとして、8日、本会議での趣旨説明を強行しました。年金削減法案は、厚生労働委員会に掛けられることになっています。

年金削減法案

 年金額を3年間で2・5%削減、まず10月から0・9%減らします。将来世代の年金も減ります。ひとり親家庭や障害者、被爆者などへの手当も、連動して10月から3年間で1・7%削減されます。

 年金などには物価変動に連動させる「物価スライド」があります。もともと、物価上昇で年金が目減りしないよう導入されました。2000年度からの3年間、消費者物価は下がりましたが、生活実態や経済への悪影響に配慮して、年金額は据え置かれました。

 野田内閣は、それを「本来より年金が高い特例水準にある」として、削減しようとしているのです。

 しかし、消費者物価を下げているのは薄型テレビなどの電化製品の激しい値下がりです。食料品は下がらず、水光熱費は上がっています。何より、医療や介護の保険料が大幅に上がっているのに、消費者物価には反映されていません。高齢者の可処分所得は減っています。物価下落という口実には道理がありません。

 この法案には、基礎年金の国庫負担の2分の1を交付国債でまかない、消費税の増税を先食いすることも含まれています。

「機能強化」法案

 消費税の10%への増税と引き換えに、「逆進性対策」として出されたのが、低所得者への年金の加算などです。▽受給に必要な資格期間を25年から10年に短縮▽低所得者の年金に月額6千円と、免除期間に応じた額を加算―などを盛り込んでいます。

 低所得者への加算など、それ自体は改善です。しかし消費税増税法案が成立しない限り施行されず、消費税増税や年金削減、医療・介護の保険料大幅値上げなどで、加算の大半が消えるか負担増が上回ります。

 対象も、家族全員が市町村民税非課税で、年金収入とその他の所得を合わせて老齢基礎年金の満額(12年度は月額約6万5500円)以下の人と、ごく狭く限定されています。基礎年金満額に加えて厚生年金が千円でもある場合や低年金を補うために働きわずかでも所得がある場合、加算は受けられません。

 このほか、▽短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大▽産休中の社会保険料の免除などが盛り込まれています。短時間労働者への拡大も、対象は約45万人と限定されました。

被用者年金

一元化法案

 公務員や私学教職員が加入する共済年金と民間サラリーマンが加入する厚生年金を統合し、公務員などを厚生年金に加入させる法案です。共済年金の保険料を引き上げて厚生年金にそろえるのが柱です。共済加入者にとっては給付の削減となります。低い方にそろえる引き下げ競争は、年金制度をよりよくすることに逆行します。


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