2012年5月6日(日)

止めたゾ稼働次は原発ゼロ

全５０基停止全国で宣伝・パレード多彩

　こどもの日の５日、北海道電力の泊原発３号機（泊村）が定期検査で運転を停止して国内に５０基あるすべての原発が止まりました。北海道をはじめ、東京、長野、京都、福岡など全国各地で、集会やデモ、宣伝などが多彩におこなわれました。東京で開かれた「原発ゼロの日　さようなら原発５・５（ゴーゴー）集会」の参加者は、大きなこいのぼりを掲げてパレードしました。

泊原発間近から

（写真）北海道電力泊発電所（正面）を背景に「原発はいらない」と唱和する人たち＝５日、北海道岩内町

　北海道電力泊原発が間近に見える岩内町で、日本の原発稼働全停止を祝福する「原発ゼロ岩内アクション」が行われ、小さなこいのぼりを掲げ子どもの手を引き「原発はいらない！」「泊原発は再稼働するな！」と声を響かせました。

　同町の女性（６５）は「原発を毎日見ているので慣れっこになっているところが怖い。福島のような事故があったら二度とこの町には住めないと思う」と切実さを話します。

　同町の女性（６１）は「私は原発には絶対反対だけど、以前、署名を集めると原発関連で仕事をしている人が身内にいる人が多く、『ごめんね』という断り方になり、私もつらかった。でも私たちの運動の力で今日を迎えることができた」と喜びます。

　札幌市から来た大学２年生（１９）は「震災後、初めて原発の存在を知り、勉強し始めました。使用済み核燃料を大量に生んでしまい、どうしようもない状態なのに、再稼働なんてとんでもない話。知ってしまった以上、行動を起こさなければと思い、今日来ました」と力を込めて話します。

　同実行委員会主催の原発反対学習会も岩内町内で開かれ、原発問題全道連絡会の大田勤代表委員、原発問題後志（しりべし）住民の会の大石美雪事務局長が、泊原発の地元と北海道、全国が力を合わせて再稼働させない運動を、と訴えました。

街頭から

　３７の労働組合や民主団体などでつくる「原発をなくす全国連絡会」は、東京・ＪＲ新橋駅前で、原発ゼロを実現しようと訴えました。

　「今日、原発がすべて停止します」と声をかけ、「原発のない社会を実現しよう！」と書かれたビラを配ると、若者や子連れの父母がよく受けとりました。弁士が「原発」と口にしただけで通行人が振り返り、手をふりながら「がんばってください」など声援を送る人の姿も見られました。

　全国労働組合総連合の盛本達也幹事や新日本婦人の会の石原和中央常任委員、北区労働組合連合会の野中晴事務局次長、日本共産党の笠井亮衆院議員が交代で訴え、「稼働原発ゼロから、真に原発のない日本を一日も早く実現し、再生可能な自然エネルギーに転換するため、ともに運動をいっそう強めていきましょう」と呼びかけました。

　武蔵野市からきた男性（２３）は、「（原発が）全部停止しても節電でなんとかなるなら、その方がいいに決まっています。福島の被害を思えば、また原発を使うのがいいとは思えません」と話しました。

　ビラを受け取った東京都練馬区の女性（３３）は、「昨年の福島原発事故のあとの、東京の水道水汚染などを思い出すと、今でも涙が出そうになります。このまま再稼働しないでいてほしい」と話しました。