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2012年5月5日(土)

エジプト大統領選

経済対策中心に論戦

若者の雇用・最低保障年金アピール

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 【カイロ=小泉大介】昨年はじめの「革命」後の国づくりにとって極めて重要な意味を持つエジプト大統領選挙(5月23、24日投票)。経済対策を中心に各候補が政策アピールを本格化させるなか、世論調査では、前アラブ連盟事務局長のムーサ氏(元外相)と、医師で穏健イスラム主義者のアブルフトゥーハ氏が一歩リードする展開となっています。


 大統領選をめぐっては、2日に首都カイロで立候補失格問題をめぐる衝突で死傷者が出るなどし、一時は実施が危ぶまれる事態となりました。しかし、実権を握る軍最高評議会は3日、選挙を予定通り行い、新大統領誕生後に民政移管すると改めて表明しました。

 選挙には13人が立候補していますが、選挙運動開始日の4月30日にアルアハラム政治戦略研究所が発表した世論調査結果では、ムーサ氏の支持率が約41%で第1位です。

地方で支持

 「世俗・リベラル」派として貧困の解決を正面に掲げるムーサ氏は、各地で「革命の偉大なる目標の達成に向け、全国民が協力しよう」と強調。腐敗した旧体制との決別、若者の雇用創出などを軸にした包括的な経済発展の必要性を訴え、とくに地方で大きな支持を得ています。ただ、「革命」を主導した青年組織などから、外相を約10年務めた同氏は「旧体制の候補だ」と非難の声が起き、演説中止を余儀なくされる事態も起きています。

 世論調査での支持率第2位は、アブルフトゥーハ氏(27%)。「革命を代表する候補」を自認する同氏も経済政策を力説し、最低賃金、最低保障年金制度の創設などをアピールしています。人民議会(下院)第2党の超保守主義イスラム主義勢力・ヌール党も支持表明するなど、数字以上にムーサ氏を追い上げているとの見方もあり、実際、両氏が肩を並べているとの別の世論調査結果も出ています。

方針を覆す

 注目されるのは、人民議会で47%の議席を占めるイスラム主義組織・ムスリム同胞団のモルシ候補の支持率が現在のところ低迷していることです。同胞団は昨年末の人民議会選で最大勢力となった後、「大統領権力は求めない」としていた従来の方針を覆したことから、国民のなかに警戒心が広がっています。同胞団の青年メンバーの間では、同団を除名になったアブルフトゥーハ氏を支援する動きも公然化しています。

 大統領選は第1回投票で過半数を得票した候補がいない場合は、上位2候補が6月16、17日の決選投票に臨みます。


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