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2012年5月3日(木)

世界のメーデー

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雇用改善まったなし

中東 労組許可の国も

 【カイロ=小泉大介】中東地域では昨年初めの「革命」を受けて新たな国づくりに踏み出しているチュニジアやエジプトなど、各国で1日、メーデー集会が開催されました。

 現地からの報道によると、チュニジアの首都チュニスでは、2万人以上の労働者らが国旗や組合旗を振り、国歌を歌いながら中心街をデモ行進しました。

 同国では「革命」後も20%といわれる失業率が続き、雇用改善が待ったなしの課題となっています。チュニジア労働総同盟のアッバシ事務局長は集会で「政府との交渉は現在進行中だ。われわれは貧困を克服し、地域の発展に取り組んでいかなければならない」と決意表明。デモ参加者は「雇用、自由、国民的団結のためにがんばろう」とシュプレヒコールをあげました。

 同じく経済立て直しが急務となっているエジプトの首都カイロのタハリール広場では、労働者が「革命」の要求の一つだった最低賃金制度の導入など要求を書いたプラカードを掲げてデモ。ホテル従業員の男性は、「われわれにはいまだ固定給がなく、12%のサービス料だけが頼りだ」と、制度への期待を語りました。

 チュニジアやエジプトで高まる労働者のたたかいは、湾岸諸国などにも影響を与えており、労働組合を認めてこなかったカタール政府は1日、労働者の権利を守るため、労組の結成を許可すると表明しました。

派遣労働禁止を要求

インドネシア 労組共同集会

 【ハノイ=面川誠】インドネシアの首都ジャカルタで1日、労働組合の中央組織が5万人規模のメーデー共同集会を開き、派遣・請負労働の禁止や福祉予算の大幅増額などを要求しました。現地メディアによると、全国で約16万人が集会やデモに参加しました。

 全インドネシア労働組合総連合、インドネシア福祉労働組合連合、インドネシア労働組合連盟などは共同声明を発表し、▽2015年までの国民皆保険の実現▽派遣・請負労働の禁止▽住居、教育、交通費への補助金給付―などを政府に求めました。

 同国では年初から最低賃金の引き上げを求めるストが頻発しています。3月には政府が計画したガソリンなど燃料価格の約30%値上げに反対する抗議行動が激化し、国会は値上げ承認を見送りました。

 全インドネシア労働組合総連合のサイード議長は1日、ジャカルタの集会で演説し、「納税者である労働者が政府に生活支援策を要求することは、当然の権利だ」と強調しました。

富裕層に課税を 南欧

 【アテネ=小玉純一】欧州各国では1日、労働組合が年金切り下げなどの緊縮策と解雇規制緩和に反対し、富裕層への課税を求めてメーデーの集会・デモを行い、各国で例年を大幅に上回る人たちが参加しました。

 6日に総選挙を控えたギリシャでは、首都アテネ中心部の集会に約5000人が集まりました。

 大学勤務の地質学者のコスタス氏(50)は「緊縮で給料30%減。いつまでこの職があるのか」と不安を語り、「欧州連合(EU)の融資は銀行に行く。政府には金が無い。だがスイスの銀行に大金を持っている人たちがいる。彼らに課税すべきだ」と主張。緊縮を進めた二大政党とたたかう「左翼の政党に投票する」と述べました。

 同じく6日に大統領選挙の決選投票を控えるフランスでは、労組によると全国290カ所で集会が開かれ、パリ・バスチーユ広場に向かうデモ行進参加者は、昨年の1万2000人から4万8000人と4倍化しました。

 再び景気後退に陥り、4人に1人が失業中のスペインでは80都市で行動が実施され、マドリードの広場には数万人が参集。「(緊縮政策は)完全な暴力だ。家とパンが奪われていく」と訴える横断幕を掲げる参加者もいました。

 ギリシャについで欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の融資を受けたポルトガルでは、最大労組、労働総同盟(CGTP)が「搾取と窮乏に反対。政策を変えよ」とのスローガンを掲げて全国的な取り組みを繰り広げました。

欧州を緊縮で壊すな

ドイツ 420カ所で集会・デモ

 ドイツ労働組合総同盟(DGB)によると、同国では1日、全国420カ所で集会・デモが開催され、約42万人が参加しました。

 今年のスローガンは、「欧州によき労働、正当な賃金、社会保障を」。DGBのゾンマー議長はシュツットガルトの中央集会で、「欧州を緊縮で破壊してはならない」と強調し、緊縮策の代わりに雇用を増やすための景気対策と、財源として金融取引税の導入を強く訴えました。

 また、産別労組でドイツ最大の金属産業労組のフーバー委員長は、ハンブルクの集会でドイツでも増加している派遣労働者に、正規労働者との同一労働同一賃金の原則を適用するよう求めました。(片岡正明)


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