2012年5月3日(木)
背景に過酷な労働実態
バス規制緩和 07年に吉井議員が追及
関越道ツアーバス事故の背景に、2000年のバス事業参入に関する規制緩和(免許制→許可制)問題が浮上しています。07年2月に大阪府吹田市で起きたスキーツアーバス事故で日本共産党国会議員団は、国土交通省に対して運転手の労働実態などを把握し迅速な対策を求めてきました。
吉井英勝議員は07年6月13日の衆院内閣委員会で、同省が実施した貸し切りバス事業者への監査結果をただしました。
結果は、貸し切りバス316事業者のうち204事業者(64・6%)で、「過労防止義務や運行指示書未作成等」の法令違反が見つかりました。旅行会社が乗客を募集し運行を貸し切りバスに委託する「ツアーバス」事業者では84事業者中68事業者(81・0%)に法令違反がありました。
吉井氏は、貸し切りバスの事業参入が増え過当競争になり、旅行会社間の値引き競争や運転手の過労防止違反など「過酷な実態」があると強調。過労運転が原因で起きた事故について追及しました。
警察庁は、過労運転がおもな原因で起きた「人身事故」は05年で615件。06年で557件。「物損事故」は05年58件。06年48件。うち「事業者や使用者等に過労運転の下命、容認」の事案が見つかり検挙された件数は05年4件、06年9件と答弁しました。
吉井氏は「安全がどんどん切り捨てられて、利用者も知らない間に危ないところに乗せられている」と批判。国交省は「監査処分を厳格にしていく」としか答弁しませんでした。