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2012年4月28日(土)

エジプト大統領選

立候補13人が確定

政治的方向づけめぐり 4氏軸にたたかい

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 【カイロ=小泉大介】エジプト選挙管理委員会は26日、大統領選挙の確定立候補者13人の名簿を発表しました。23人が立候補を届け出ましたが、選管の資格審査で多数が失格となりました。実権を握る軍最高評議会は新大統領への権限移譲を表明しており、今後、「革命」後の政治的方向づけをめぐる激しいたたかいが繰り広げられることになります。


 各候補の具体的政策の多くはまだ不明ですが、選挙戦は基本的に、「革命」・リベラル勢力、イスラム主義勢力、ムバラク前政権残存勢力らによるつばぜりあいの構図となる見込みです。現在、各種世論調査で比較的優位なのが、ムーサ前アラブ連盟事務局長・元外相(75)と、イスラム主義組織・ムスリム同胞団から除名されたアブルフォトゥーフ元幹部(61)です。

 ムーサ氏は「リベラル」を自認し、外相とアラブ連盟事務局長をそれぞれ約10年間務めた経験を売り物にしています。「革命」時は途中から民衆のデモ支持を表明し、その後は一貫して民主化推進姿勢をアピール。内政では主に貧困対策、外交では前政権の親米路線の転換を掲げています。ただ、「旧体制の一部」と批判的な声も上がっています。

 医師のアブルフォトゥーフ氏は数十年間、同胞団で活動してきましたが、昨年5月に大統領選出馬を表明した後、独自候補を擁立しない方針だった同団から除名処分に。「革命」の最初からデモに参加し、負傷者の手当てに献身したこともあり、現執行部を「保守的」と見る同胞団員や、「革命」を主導した青年組織の一部にも支持を広げています。

 2氏を追うのが、人民議会(下院)最大勢力で、同胞団を母体とする「自由公正党」のムルシ党首(61)。3月に突如、独自候補擁立へ方針転換した同胞団は、シャーテル副団長を担ぎましたが、資格審査で失格となり、「補欠候補」のムルシ氏が出馬。同胞団はこれまでの「イスラムこそ解決策」という標語の使用中止を検討するなど、「穏健路線」の演出に躍起です。

 空軍出身で前政権最後の首相を務めたシャフィク氏(71)も有力と目されている一人で、前政権指導部の参政権をはく奪する法律の成立で一度は失格とされましたが、異議申し立てが認められました。軍部や解散した旧政権党の元党員、財界などが支持基盤です。

 他にも、「革命」派、左派系の候補が数人立候補していますが、いまのところ支持率は低迷しています。


 エジプト大統領選挙 選挙運動期間は4月30日から5月21日までで、投票日は23、24日。結果発表は29日ですが、過半数を獲得した候補がいない場合は上位2人による決選投票が6月16、17日に行われ、新大統領が誕生します。任期は4年、3選は禁止されています。有権者は約5200万人。


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