2012年4月26日(木)
報告9日後に容認
保安院 浜岡原発の津波対策
南海トラフの巨大地震に伴い、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に来襲すると試算された高さ21メートルの津波が発生しても安全が確保できるとした同社の報告に対し、経済産業省原子力安全・保安院は25日、冷温停止は維持できるとする評価を示しました。16日の報告から9日で同社の主張通り容認してしまいました。保安院は津波の高さから、原発施設や資機材が水没した影響のみを評価したと説明。津波が原子炉建屋にぶつかったときの衝撃や水圧などの影響については考慮せず先送りしました。
保安院は、21メートルの津波で原子炉や使用済み燃料プールの冷却ができなくなっても、冷却水が蒸発し核燃料の上端まで水位が下がるには6日間の余裕があると、中部電力の報告通りに認定しました。高台に配備した運搬可能ポンプなどの機材を使い、注水ができると確認したとしています。
一方、緊急時の作業拠点としている免震重要棟2階が高さ約10メートルしかないため、使用できない可能性を考え、代替施設を用意する必要性を指摘。注水作業を確実に実施できるよう総合訓練をすることを求めました。