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2012年4月21日(土)

「遺体と記念撮影」アフガン米兵 続く暴挙

かすむ戦争出口

カルザイ氏 権限移譲前倒し要求

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 【ワシントン=小林俊哉】反政府勢力タリバンによる首都攻勢などで先行きに不透明感が増すアフガニスタン戦争をめぐり、米政府は「出口」に向け神経をとがらせています。ところが米兵が反政府勢力とみられる自爆犯の遺体と並んで撮った写真が報道され、「アフガン作戦にまた打撃」(米紙ワシントン・ポスト)と指摘されています。


 問題の写真は、米紙ロサンゼルス・タイムズが18日に報道。2010年に撮影されたものといわれ、逆さづりにされた遺体の横に笑顔の米兵数人がおさまっています。

また謝罪

 パネッタ国防長官は18日、北大西洋条約機構(NATO)外相・国防相理事会に参加のため訪問したブリュッセルで記者会見し、「国防総省と米政府を代表した謝罪」を表明。徹底した内部調査を約束しました。

 アフガン駐留の米兵による暴挙は後を絶ちません。1月には海兵隊員がタリバン兵の遺体に小便を掛けている映像が流出。2月には米兵がイスラム教の聖典コーランを焼却し、アフガン国民の怒りが爆発しました。3月には米兵が女性4人と子ども9人を含む17人を射殺する事件が発生しています。

 パネッタ氏は会見で「若い兵士たちには、その場の雰囲気でばかげた判断をすることもある」などと弁明しましたが、アフガンのカルザイ大統領は19日、「非人道的だ」と強く批判。再発防止のためには早期の治安権限移譲が必要だとして、14年の米軍撤退期限を待たず、権限移譲の前倒しを求めています。

 折しも、NATO外相・国防相理事会は19日、アフガン戦争の「出口戦略」で合意。(1)戦闘任務をアフガン軍に徐々に移転する(2)14年以降も、多国籍軍が一定規模で駐留する(3)アフガン軍の維持のための資金援助を行う―ことが柱です。5月に米シカゴで開催されるNATO首脳会議で確認される手はずとなっています。

米世論も

 米世論はアフガン戦争の終結を求めています。最近のピュー・リサーチ・センターの世論調査でも、早期撤退を求める声が、オバマ大統領の支持者で64%、無党派層の間でも59%に上ります。野党・共和党の大統領候補を目指すロムニー前マサチューセッツ州知事の支持者でさえ、早期撤退支持が49%で、事態が安定するまで駐留すべきだと回答した43%を上回っています。

 パネッタ氏は、19日に収録された米CNNとのインタビューで、週20億ドル(1630億円)もの血税を投入してたたかう価値のある戦争かと問われ、「目的は米国民の保護だ」と強調。クリントン国務長官も「どの戦争にも問題はある」「われわれはいま(戦闘終結に向けた)移行期にある」と述べるだけでした。


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