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2012年4月18日(水)

世銀総裁に米・キム氏

初めて投票選出 新興国の存在感示す

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 【ワシントン=小林俊哉】世界銀行は16日、理事会を開催し、次期総裁に米ダートマス大学のジム・ヨン・キム学長を選出しました。1945年の創設以来、米国が独占してきた総裁職は、今回も米国が維持したものの、初めて複数の候補が出馬し、投票による選出となりました。

 キム氏は、従来の総裁のように外交官や銀行家出身ではなく、世界保健機関(WHO)でのエイズ対策の功績で知られるなど途上国の開発問題に詳しい医学者です。59年にソウルで生まれた韓国系米国人で、初のアジア系の総裁として、7月1日からゼーリック総裁の任を引き継ぐことになります。

 今回の総裁選が注目されたのは、66年間の慣例を破って、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ財務相、コロンビアのオカンポ元財務相が立候補し、“初の選挙”となったためです。両氏とも開発分野に熟知しており、総裁としての資格が十分にあるとの定評があります。

 オカンポ氏は途中で辞退したものの、世銀の声明は「それぞれの候補は、それぞれ異なった国からの支持を得ており、このことは各候補の優秀さを反映したものだ」と指摘。実際に米国が推すキム氏以外に投票した理事が出たことを明らかにしています。

 キム氏には欧米と日本、カナダなどが支持を表明しました。新興国の代表格であるブラジル、南アフリカはオコンジョイウェアラ氏の支持を鮮明にしていました。

 オコンジョイウェアラ氏は同日、声明を発表し、キム氏の選出を歓迎する一方、選出過程のいっそうの透明化を求めました。

 世銀総裁は米国出身、国際通貨基金(IMF)専務理事は欧州出身という暗黙の了解に挑戦した今回の動きは、発言力も組織統治力も増し、自信をつけてきた途上国・新興国の存在感を示しています。

 キム氏を推薦した米国のオバマ大統領は同日、声明を発表。キム氏に期待を表明する一方、他候補の「傑出した資質」についても評価しました。


 世界銀行 第2次世界大戦後の世界金融システムの中核を担う機関として1945年に設立され、翌46年に業務を開始しました。国際開発協会、国際金融公社などで世銀グループを構成。加盟国は187カ国。本部はワシントン。


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