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2012年4月5日(木)

あの保安院が“安全対策”

大飯原発 再稼働へ暫定基準

いつまで国民欺くのか

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 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けて、野田佳彦首相が経済産業省原子力安全・保安院に、原発の安全対策の暫定基準づくりを指示しました。「1日か2日でやってくれ」(藤村修官房長官)などと、再稼働を強行する免罪符にする思惑を隠しておらず、保安院を使って新たな「安全神話」づくりをはかるものです。


写真

(写真)関西電力大飯原発(ドーム状の建物右から原子炉1号機、2号機、3号機と半円は4号機)=福井県小浜湾から

 保安院は東京電力福島第1原発事故を引き起こした重大な責任を負っている当事者です。しかも、規制機関を標ぼうしながら、原発推進のためには、電力会社に「やらせ」を繰り返し指導するなどした「前科」が国民に見抜かれ、本来、3月31日付で廃止され、新「規制庁」に吸収されることが決まっています。このような組織に、安全対策を任せること自体、国民を欺くものです。

 保安院は「安全神話」にどっぷり漬かり、数々の危険を見逃してきました。

 福島第1原発をはじめ、原発の地震・津波対策について日本共産党議員が国会で取り上げ、住民団体が要請してきても、保安院は電力会社の言い分をそのまま認め、対策を怠ってきました。福島第1原発事故が起きる前に東電は、巨大な津波が襲ってくる可能性があるという試算をし、保安院はそれを承知していたのに何の手だても打とうとしませんでした。事故はそのつけが最悪の形で表れたものです。

 さらに、福島第1原発事故後、国主催の原発シンポジウムで電力会社に“やらせ質問”を工作するよう指示していたことも発覚。保安院長自ら、国の安全行政に対する信用は「地に落ちている」と述べざるを得ませんでした。

 国会の事故調査委員会の聴取で、前保安院長が、欧米の規制機関に比べると保安院の専門性や知見は「弱い」と言うなど、規制機関としての資格と能力のないことを認めています。

 政府が今回、新たな暫定基準づくりを持ち出さざるを得なくなっているのも、「毎日」2日付の世論調査で、ストレステスト(耐性試験)の審査が「十分でない」と答えたのが84%に上るなど、ストレステストの欺まんを国民から見抜かれたためでした。

 この根源にあるのは、保安院や原子力安全委員会など政府の原子力行政そのものへの国民の不信です。にもかかわらず、新たな対策づくりを保安院に丸投げしてやらせても、原発の安全性をなんら保証できないし、国民の納得が得られないことは明らかです。 (三木利博)


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