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2012年3月24日(土)

主張

スポーツの力

今年も心つなぐプレー広げて

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 スポーツの春が到来しました。

 阪神甲子園球場では選抜高校野球大会が始まり、津波で壊滅的な被害にあった宮城県石巻市から石巻工が初出場しました。初戦で敗れたものの、はつらつとした健闘が光り、同校の阿部翔人(しょうと)主将が行った選手宣誓は、被災地だけでなく全国に感動をひろげました。

 「日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を」「全力でたたかい抜き、最後まであきらめない」。この力強い誓いが、グラウンドで発揮されることを期待します。

被災地のたたかい胸に

 プロサッカー・Jリーグはすでに各地で熱戦が展開され、東日本大震災からの復興支援をかかげるベガルタ仙台が2連勝と好発進しています。プロ野球も30日にセ・パ両リーグが同時開幕します。選手たちは今年のスローガン「心をつなぐこのプレー」を合言葉に、長いシーズンに入ります。7月にはオールスター第3戦を盛岡市で開催することが決まっています。

 震災後の1年は、スポーツの真価も問われました。選手たちは「スポーツをしていいのか。自分に何ができるか」と自問自答し、スポーツの意義やみずからのプレーを問いながら、自発的な支援の輪をひろげていきました。被災地に入り、子どもらとふれあい、ともにスポーツを楽しむ。力を尽くしたプレーで困難を打開し、みるものの心を揺さぶる―。それぞれが、いまできることを真剣に模索し、行動に移してきました。

 プロ野球選手会労組の新井貴浩会長(阪神)は今季の開幕を前に「被災地のみなさんはたたかっているんだということを胸においてプレーしたい」と新たな決意を口にしていました。競技場やテレビ中継などで数千万人が観戦するというプロスポーツは、スポーツ文化の“語り部”として、とくに大きな役割を、になっています。

 それだけに最近報道された巨人のルール破りともいえる法外な契約金問題は、スポーツへの信頼を損ないました。こうしたプロ野球の金権体質は支えてくれるファンを失望させ、みずからの土台を掘り崩すものです。プロ野球や大相撲の改革をはじめ、スポーツ団体の国民や社会に信用される組織としての脱皮が求められます。

 今年は4年に1度の「人類の祭典」夏季オリンピック大会が、近代スポーツの発祥地イギリスのロンドンで開かれます。フェアプレーを尊び、公平なルールのもとで暴力を排し、平和と友好に貢献してきたスポーツの価値を改めて示す機会にもなるでしょう。

 日本では「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」とうたったスポーツ基本法が施行されました。

国民のスポーツ権実現へ

 今月21日には、文科相の諮問機関が今後10年間の基本方針と5年間でとりくむ施策をまとめたスポーツ基本計画を答申し、この4月から実施される予定です。そのなかで各競技団体に対して、組織運営に選手の意見を反映する仕組みを導入することや、女性役員の登用を積極的に求めています。

 こうした中身は国際的な流れでもあります。同基本法の共同提案者でもある日本共産党は、これからも国民のスポーツ権実現にむすびつくよう国の施策の充実をはかるとともに、スポーツのゆたかな発展のために尽力していきます。


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