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2012年3月20日(火)

きょうの潮流

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 「この子より、1日でも長く生きたい」。以前、障害を持つ子どもを抱えた親御さんから、そんな言葉を聞いたことがあります。横浜市の77歳の母親と重度の知的障害などを抱えた44歳の息子の孤立死のニュースを、胸がつぶれる思いで読みました▼今年になって相次いで発覚した孤立死。特徴は、介護者が病で倒れ、自分で生きることのできない要介護者が後を追って亡くなる…。障害者の「親亡き後」の悲劇です▼横浜市のケースは、父親の死後、息子は障害者の通所施設に通わなくなっていたといいます。77歳の老いた母親が、自立歩行できない体の大きな息子をたった一人で支える。その過酷さは、筆舌に尽くしがたいものでしょう▼自立、自助。この国は家族に頼らざるを得ない福祉の貧困を、そんな美名で覆い隠してきました。最たるものは、自公政権時代にできた障害者自立支援法です。障害者が生きるために必要な支援を「益」とみなして利用者に1割負担を強いる。障害が重いほどサービス利用料も増える「応益負担」制度です▼2年前、民主党政権は、違憲訴訟を起こした原告たちと同法の廃止と新法の制定を約束。しかし、結局その約束は踏みにじられました。横浜市の44歳の息子は、なぜ施設に通わなくなったのか。もしかすると、通えなくなっていたのかもしれません▼障害を個人や家族の責任とせず社会全体でみる世の中になったら、どれだけの人が救われるか。「この子より1日も長く」と思わなくてすむ社会に一刻も早く…。


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