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2012年3月16日(金)

主張

オスプレイ配備

「安全」のごまかしは通じない

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 日米両政府が米海兵隊の垂直離着陸輸送機オスプレイを本土の米軍基地などに一時的に配置し、試験飛行を実施したうえで沖縄に配備する方向で調整中です。

 沖縄・普天間基地(宜野湾市)へのオスプレイの配備に対する県民の反発を和らげるのが日米両政府の狙いです。本土で「安全」なら沖縄でも大丈夫だというための演出であるのは明らかです。オスプレイは墜落事故を多発させてきた危険な航空機です。爆音被害も深刻です。オスプレイを「安全」だとみせかける政府のごまかしは、沖縄はもちろん、本土のどこでも通用するはずのないものです。

強まる危険と爆音被害

 米軍は今年10月以降にオスプレイを普天間基地に配備し、名護市辺野古に建設する新基地にも配備する計画です。にもかかわらず、本土に一時的にせよ配置して「安全」を演出せざるをえないこと自体、新基地建設計画を破綻に追い込んでいる沖縄県民の反発をいかにおそれているかを示すものです。

 オスプレイは、離着陸時はヘリとして、水平飛行のときはプロペラ機として飛ぶ最新鋭の輸送機です。開発段階から何度も墜落事故を起こしている欠陥機です。「世界一危険」な普天間基地に、危険な欠陥機を配備するのでは危険を高めるだけです。危険と隣り合わせの生活を強いられている県民が危険を大きくするオスプレイの配備に反対するのは当然です。

 米軍機はもともと軍事優先で県民の痛みや安全などおかまいなしです。普天間基地に配備されたヘリは、周辺一帯を戦場に見立て、地上からパイロットの顔が見えるほどの低空で旋回飛行しています。現在のヘリの能力をはるかに上回るオスプレイが住民の頭上で旋回訓練や重たい物資をつり下げての飛行訓練などをくりかえせば、住民の危険と爆音被害が激増するのは明白です。2004年にヘリが沖縄国際大学構内に墜落しましたが、オスプレイが墜落すればその被害ははかりしれません。

 オスプレイによる危険と爆音被害は普天間基地周辺に限られないというのも重大な問題です。米軍は、名護市辺野古での新基地建設に備えて環境影響評価(アセスメント)をおこなっています。北部訓練場や伊江島、嘉手納など沖縄県下の基地、さらには岩国基地(山口県)やキャンプ富士が対象です。オスプレイが配備される基地とこれらの基地の間をオスプレイが飛行するということです。

 オスプレイの飛行経路にある多くの住民が苦しむのは目に見えています。基地があるがゆえの痛みをこれ以上増大させないためにも、オスプレイの配備を阻止することが重要です。

配備反対の声に従え

 オスプレイの配備に反対する声は沖縄でも本土でも増大するばかりです。沖縄県の仲井真弘多知事や佐喜真淳宜野湾市長をはじめ沖縄県民が一体となって反対しています。本土で配置が予定される岩国基地がある山口県の知事や岩国市長らも「現時点では反対」といっています。オスプレイの配備先はどこにもないのは明らかです。

 政府はオスプレイが「安全」だというごまかしの策動をやめ、県民・国民の願いに応えて、普天間基地の返還をはじめ、米軍基地の縮小・撤去にふみだすべきです。


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