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2012年3月15日(木)

小選挙区制“恒久的”維持の策謀

「0増5減」“応急是正”先行論

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 自民党の石原伸晃幹事長は13日の記者会見で、衆院選挙制度に関する各党協議会で進展がない場合、小選挙区定数を「0増5減」とし小選挙区の区割改定作業を進める法案を自民党単独でも提出する考えを表明しました。他の党のなかにも、小選挙区の違憲状態を放置できないとして「0増5減」案を容認する動きが伝えられています。

協議進展せず

 最高裁が現行制度の小選挙区間の格差を違憲状態とし、民意の公正な反映を求めたことは重要です。そのことを契機にして、現在、18年前の小選挙区制導入以来初めて選挙制度そのものの改革が議論されています。

 しかし、自民党がまとめ、民主党が法案として決定している「0増5減」案を「応急的是正措置」として先行させることは、この間の各党協議会の経過に反しています。昨年10月の各党協議開始以来、民主党と自民党がくりかえし小選挙区の区割改定先行をもちだしましたが、二大政党以外の日本共産党、公明党などすべての党が「民意をゆがめる小選挙区並立制」そのものの改革を主張し、「格差是正、選挙制度抜本改革、定数削減」の三つの問題を同時に決着させる方向で協議してきました。協議が進展しないのは、民主党が「小選挙区制が民意をゆがめ、政治の劣化をまねいている」ことに目をむけず、「抜本改革は必要ない」との態度をとっているためです。

便法的な手法

 現行制度のもとで小選挙区の区割見直しは、10年ごとの国勢調査結果にもとづいて区割審議会が行うと規定されています。今回、2010年調査にもとづき「0増5減」の「応急的」改定を行えば、次の義務的見直しは10年先となり、その間、小選挙区制は維持・温存されることになります。しかも「0増5減」は、格差2倍未満にするための見直し選挙区を少なくすませる便法的な手法のものです。違憲状態の解消を口実に「応急措置」を先行させれば、小選挙区制を「恒久的」に続けることにつながり、世論調査で7割もの国民が求めている抜本改革の機会を閉ざしてしまうことになりかねません。

 さらに、小選挙区の区割改定作業を先行させ新たな区割案がまとまれば、定数削減の対象が比例定数とされる危険は必定です。民主党の樽床伸二政治改革本部長(党幹事長代行)は「比例定数80削減の旗は降ろさない」と強調(14日)し、自民党も比例削減を主張しているのですから。「民意の反映」を議論しながら、民意を切る比例定数削減につなげていくことは絶対に許されません。

 いま各党協議に求められているのは、民主党が「比例定数80削減」を撤回し、民意をゆがめ政治を悪くした根源である小選挙区制を「やめる」ことを前提とした協議に「脱皮」させることです。

 (日本共産党国会議員団事務局・白髭寿一)


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