2012年3月15日(木)
AIJ事件 投資顧問業協会の会長
「当事者の自己責任」
佐々木氏批判
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衆院財務金融委員会は14日、投資顧問会社AIJ投資顧問の年金資産消失事件について参考人質疑を行いました。AIJの浅川和彦社長は「証券取引等監視委員会への報告書の作成などで多忙」との理由で欠席しました。
AIJに運用委託していた全国卸商業団地厚生年金基金の神戸厚常務理事は「信託銀行から届いた時価報告が虚偽かどうかは全くわからない。信じていた」と述べました。
企業年金連合会の村瀬清司理事長は「企業年金の運用利回りも目標収益率を下回り、積み立て不足を抱えたことが問題のベースにある」と指摘しました。
社団法人日本証券投資顧問業協会の岩間陽一郎会長は事件について業界の取り組みなどを報告しました。
日本共産党の佐々木憲昭議員は「運用状況の詳細な報告を受けていたか」と質問。神戸氏は「一任契約しており、細かいところまで聞いた記憶はない」と答えました。AIJが約2000億円の年金資産の大半を消失させたことへの業界としての対応について、岩間氏は「当事者の自己責任になる」と答弁。佐々木氏は「業界として対処する考えもないのか」と批判しました。
佐々木氏は、公的年金の一部を預かり運用している代行部分も毀損(きそん)した恐れもあると指摘し、「損失を負担し切れない場合、どうするのか」と質問。村瀬氏は「今までは当該基金内で自己完結型で解決してきたが、今回できるかわからない」と答えました。