2012年3月14日(水)
女性ら45人虐殺遺体
シリア 住民弾圧つづく
【カイロ=小泉大介】軍による激しい住民弾圧がつづくシリア中西部のホムスで12日、女性と子ども合わせて45人の虐殺遺体が発見されました。ロイター通信が同日、シリアの人権団体「地域調整委員会」の話として伝えました。
今回の虐殺について、国営シリア・アラブ通信は「武装テロリスト集団」の犯行と伝えましたが、現地の反体制派活動家は、親アサド政権の民兵組織によるものだとしています。ロイター通信が医療関係者の話として報じたところによると、遺体の中には、ナイフでのどが切り裂かれた子どもや、殺害前に暴行を受けた女性のものもありました。
10、11の両日、シリアを訪れアサド大統領と事態打開に向けて会談した国連とアラブ連盟のシリア担当合同特使であるアナン前国連事務総長は12日、訪問先のトルコで会見。「国際社会は、完全に受け入れがたいものであるとの明確で一致したメッセージを送るべきだ」と表明しました。
またシリアの反政府組織「国民評議会」のサブラ報道官は同日、虐殺がアサド政権側によって引き起こされたことは明白だとし、民間人を保護するため国際社会に「人道回廊」や「飛行禁止空域」の設置を求めました。