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2012年2月28日(火)

新しい三つの条件――力あわせて必ず躍進を

南関東ブロック後援会 志位委員長の発言

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 日本共産党の志位和夫委員長は24日、自ら衆院比例予定候補としてたたかう南関東ブロックの党後援会連絡会の結成総会(会場・党本部)であいさつしました。志位氏は冒頭、ブロック単位での後援会結成の意義を強調したうえで、「選挙に勝つためには政治的に元気になること、人間的に連帯しみんなが仲間としてたたかうという二つが勝利のカギ」と後援会活動を激励。次期総選挙の躍進の「新しい三つの条件」を明らかにしました。


今度の総選挙での党躍進の可能性について

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(写真)党後援会南関東ブロック連絡会の結成総会で発言する志位和夫委員長=24日、日本共産党本部

 さて、今度の総選挙ですが、この選挙で躍進できる可能性はあるでしょうか。私は、“今度こそ”と思っております。これはたんに私たちの願望というだけではなくて、頑張りいかんでは躍進できる客観的可能性と条件があるのです。

 選挙というのはいろいろな条件のもとでたたかいますから、どんなに頑張ってもなかなか前進が難しい選挙というのもあります。しかし、今度の選挙はそうではありません。今度の選挙は、私たちが知恵と力を尽くして頑張れば躍進できる条件がある。私は、今日は、「三つの新しい条件」ということについて、日ごろ実感していることをお話しさせていただきたいと思います。

「二大政党づくり」の破綻――ホンモノの改革の党は日本共産党

 第一は、「二大政党づくり」が破綻したということです。

 この「二大政党づくり」の動きには、私たちは長年苦しめられてきました。だいたい2002〜03年くらいから始まった。かれこれ10年間、「二大政党のどちらかを選べ、共産党はカヤの外だ」というキャンペーンとのたたかいでした。

 「二大政党づくり」というのは、財界主導で日本共産党を締め出すという「最強の反共作戦」で、とても苦労してきましたが、私は、その一番つらい時期は、自民党政権があって、それを民主党が追いかけていく、この時期だったと思います。この時期には、民主党に「政治を変えたい」という国民の期待が集中します。本当に政治を変える抜本的な立場をもっているのは日本共産党なのですが、どうしても「政治を変えたい」という流れは民主党のほうに向かいます。民主党がどうしても「よりまし」に見えてしまう。この時期のたたかいは、私たちは、いろいろ工夫をやりましたけれども、そういう条件のなかで日本共産党を前進させるのには、難しい面もありました。もちろん、たたかいを通じて、多くの教訓や反省点も、明確にしてきました。

 私は、この「二大政党づくり」にどこで「転機」が訪れるか、それは、「念願」の「政権交代」が実現して、民主党が政権を獲得する、そのときに「転機」が生まれるだろうと考えていました。民主党が政権をとりましたら、野党となった自民党は「よりまし」とはなりません。ですから初めてここで「二大政党づくり」の本当の姿が、国民の前に分かりやすい形で出てくるだろう。そう思っていました。

 その通りになりました。最初の時期は、民主党政権は、少しはまともな政策も出したけれども、「3代目」にいたってすべてを裏切ったでしょう。「3代目」は自民党とまったく変わらなくなりました。

 先日、予算委員会で消費税増税問題の質問をやりました。そうしますと、首相が答弁するたびに、自民党席の方から「自民党と同じ答弁だ」とブツブツと聞こえてくる(笑い)。民主党は自民党とすっかり同じになりました。同じになったら、どっちかを選べといったって選びようがないわけです。私たちがずっと苦しめられてきた「二大政党づくり」が破綻したというのは、そういう意味です。

 しかも、私は、国会で論戦して印象深かったのは、民主党は自民党と同じ政党になったんだけれども、にわか仕立ての「自民党」だから、「自民党政治」が「身についていない」んですよ(笑い)。答弁もすべて借り物の言葉しかありません。沖縄の米軍普天間基地の「辺野古移設」とか、TPP(環太平洋連携協定)参加とか、消費税大増税とか、いろいろやっていますが、やっていることの意味が自分でもわからない(笑い)。国民に説明もできません。

 予算委員会で消費税増税問題の論戦を1時間やりました。あれをやってみて「本当にこの人たちは、何もわからないでやっている」とつくづく思いました。

 たとえば、「社会保障はどうなるんですか」と聞くと、「充実させます」という。「そんなことはない。改悪メニューばっかりではないですか」というと、その先はまともな答えがないんですね。

 「こんなに景気が悪いときに20兆円も負担増をかぶせたら、経済の底が抜けてめちゃめちゃになりますよ。どう考えるんですか」と聞いても、答えがない。経済のことをまともに考えている人は誰もいない。

 私は、中小業者のみなさんに実情をお聞きしました。いまの5%の消費税でも転嫁できずにどんなに大変か。みなさんが口々におっしゃっていたのは、「消費税は利益にかかる税金じゃない、売り上げにかかる税金だ。利益が出ても出なくても、赤字だろうがなんだろうが、転嫁できようができまいが、消費税はがっぽりとられる」。

 私は、政府に、「転嫁できない場合、どうやって消費税を払うんですか」と聞いたら、答えられない。転嫁できない場合には、身銭を切っているわけですよ。身銭を切るということは、定期預金をおろしたり、保険を解約したり、自分の給料を無給にしたり、ご両親に無給で働いてもらったり、泣く泣く人件費を引き下げる、そういうことです。いまの消費税5%でも、こういう実態になっている、これが10%になったらどうなるか。みなさん口をそろえていっていました。まちの豆腐屋さんも、八百屋さんも、酒屋さんも、床屋さんも、みんなやっていけなくなる。商店街もなくなってしまう。そういう話をつきつけても、政府からはまともな答えが返ってきません。「安心して転嫁できるような環境をつくります」(笑い)という。冗談をいってはいけない。5%でも転嫁できないのに、10%になったら急に転嫁できるようになるわけないじゃないですか。

 消費税大増税の問題一つとっても、何にも答えられないのです。推進の論拠が崩れたにもかかわらず、崩れたこともわからないというのが、いまの政権なんです。

 民主党政権はそこまできている。他方の自民党は自民党で、民主党に自分の「お株」をとられちゃうと、やることがなくなってしまって、あとは揚げ足取りだけでしょう。「二大政党」がもう大陥没におちいっています。

 そういうなかで、破綻した「二大政党」にたいして、ちゃちなニセの「改革」論ではなくて、財界・アメリカいいなり政治を大本からただすというホンモノの大改革の方針を示して、正面から対決して変えようとして頑張っている政党というのは、日本共産党しかありません。ここで躍進しなくてどうするのか。これが今度の選挙だということを、私は肝に銘じて頑張り抜く決意を申し上げたいと思います。(拍手)

日本共産党と保守の人々を含む「一点共闘」の大きな広がり

 第二は、切実な要求にもとづく「一点共闘」の画期的な広がりです。

 「二大政党づくり」が破綻した、その残骸のうえに、二つの流れが起こっています。

 一つは、未来ある流れです。いろいろな国民の切実な願いで、「一点共闘」という動きが起こっている。保守の人たちもふくめた幅広い共同戦線があちこちでつくられています。これはたいへん希望ある新しい動きです。

 TPP反対、原発ゼロ、沖縄基地撤去、消費税増税反対、いろいろな課題で、たくさんの共同がつくられています。これはこれまでとは質の違う新しい動きだと思います。これまで保守の基盤だった、私たちとは接点があまりなかった団体や個人が、私たちと心一つにして、いまの政治を変えようという共同の流れをつくっている。

 たとえば、TPPの問題についてお話ししますと、JA全中のみなさんなど、農林漁業団体との共同が画期的に広がりました。日比谷野音、両国国技館と、全国から代表が参加し、医師会なども合流した大集会が繰り返しもたれ、私も、連帯のあいさつをしてきましたが、ものすごい熱気です。「アメリカに国を売る亡国の政治でいいのか」と訴えても、違和感がなく、強い共感の反応が返ってきます。「アメリカいいなり政治をただせ」というのは、私たちだけが堂々と訴えていることですが、ここで響きあう。綱領の民主的改革の一番の眼目は日米安保条約廃棄ですが、私たちの努力いかんでは、そうした方向に国民の認識が発展する条件がある。それをひしひし感じます。

 これまでの政治的立場の違いを超えた「一点共闘」が、重層的に広がる。原発ゼロでも広がる。震災復興でも広がる。基地の問題でも広がる。消費税でもいま広げようとしています。これをあらゆる分野で広げ、日本共産党がどこでも要求実現の先頭に立ち、根本的な打開の展望を語るならば、そしてそれを大合流させるならば、日本の政治を変える大きな流れになりうる。いま私たちが腕をくんでいる人たちは、これまでにないずっと広い人たちです。農協とか、医師会とか、森林組合とか、漁業組合とか、いろいろな自治体の首長さんとか、そういう広い方々と肩を組める新しい時代がやってきたわけです。

 なぜこれが広がるか。それだけいまの政治―古い政治が行き詰まっているということです。「二大政党」という枠組みが壊れてきている。壊れているなかで、それではどうやったら日本の政治をよくしていくことができるか、という国民の探求がすすむなかで、いろいろな分野で目が覚めるような変化が起こっている。

 今度の選挙は、これまでの延長線上での取り組みではなくて、これまで接点のなかった方々のところにも、思い切って、私たちが飛び込んでいって、スクラムをくむ選挙にしたい。私もその先頭に立って頑張る決意を申し上げたいと思います。(拍手)

反動的逆流を断固打ち破る――民主主義を守る党の真価を発揮しよう

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(写真)党後援会南関東ブロック連絡会の結成総会=24日、日本共産党本部

 第三に、もう一つ見ておかねばならないのは、「二大政党づくり」が破綻するもとで、反動的な流れも起こってきた。

 「二大政党」は、どこをどう見ても、国民はもううんざりです。だらしがない。そういうなかで、巨大メディアなどは、“既成政党はみんな悪い”“いまの政治は全部だめだ”というキャンペーンをやっています。そういうなかで、あの大阪の「橋下・維新の会」というのが出てきました。

 「どうして橋下さんに人気があるの」とよく聞かれますが、あの「人気」をつくったのは巨大メディアです。巨大メディアがものすごい勢いで持ち上げる。その結果のつくられた「ブーム」なのです。

 そういうなかで、傲慢(ごうまん)な態度が高じて、ついに「独裁」ということを平気でいいだしました。教育という最も自由が保障されなければならない分野を、強制でがんじがらめにしようとしています。私たちは、昨年の府知事選挙・市長選挙のダブル選挙で、日本共産党が独自に推薦した市長候補がみずから辞退し、「反独裁・民主主義擁護」の一点で党派を超えて共同して、「橋下・維新の会」と正面対決するというたたかいをやりました。残念ながら勝つところまでいかなかったけれども、かつてない得票を得て、追いつめたんですね。

 いまもちあがっているのは、3万数千人の市の職員に対する「思想調査」です。あれは、恐ろしいものです。今度の26日号「赤旗」日曜版をみてください。「思想調査」の「アンケート」を全部載せています。あれを読んでもらえば、ひどさが一番よくわかります。思想や良心や内心に、ズケズケと土足でふみこんできて、人格をまるごと支配しようというものです。戦前の特高警察と同じですよ。

 憲法19条では、思想や良心の自由は絶対に保障しなければいけないと明記しています。「沈黙の自由」というのもあるのです。自らの内心について、「いいたくないことはいわない自由がある」。これも憲法で絶対的に保障されていることです。しかし、橋下市長はそれも許さない。市長の「業務命令」という形で、「回答しなかったら処分するぞ」、こういうものになっているんです。

 私たちは、これは絶対に許すわけにいきません。大阪だけの問題ではありません。この人物は、「中央の政界に出てくる」と公然といっている。ところが、中央段階の政党の態度を見ると、日本共産党以外の他党は、みんな怖がって、逃げたり、すりよったりでしょ。情けないありさまです。

 先週の記者会見で、私は、「これは、すべての市民、国民に向けられた攻撃だ、日本の民主主義を守る一点で団結して立ち上がろう」ということをよびかけました。

 日本共産党は、民主主義を守るために断固としてたたかいます。90年間、戦前の暗黒の時代に、監獄に入れられたときだって、自由と民主主義の旗を降ろしたことがないんです。橋下氏の野望を打ち砕くまで断固としてたたかいぬく。(拍手)

 大阪のみなさんは、いま元気いっぱい頑張っています。中之島公会堂で、2千人をこえるたくさんのみなさんが集まった。市の教育委員会は、教職員には「思想調査」はやらないということを決めました。これは良識ですね。それから、大阪府の労働委員会は、「調査は当面はやめるように」と、当然の勧告を行いました。

 しかし、橋下市長は、まだ「中止する」といわない。「間違っていた」といわない。「中止します」といわせて、アンケートを全部廃棄させて、みんなの前で謝罪させる。そこまで、とことん追いつめなければなりません。

 私は、日本共産党が、こうしたファッショ的な逆流を断固として許さないたたかいをやるなかで、必ず、民主主義を守るうえで、「日本共産党こそ頼りになる党だ」という評価をしてくださる方が増えてくると信じて疑いません。逆に、「橋下・維新の会」に屈服するような政党は、全部崩されていきますよ。私たちは、断固として、逆流を打ち砕くまで頑張り抜くという決意をここで申し上げたいと思います。(拍手)

経済、外交、理念問題――国民に大いに希望を語ろう

 「二大政党づくり」が破綻した。そのもとで、一方で、「一点共闘」など希望ある流れが起こっており、どのたたかいでも日本共産党が共同の一員として頑張っています。他方で、民主主義を破壊する逆流も起こっているけれども、それにたいしても正面から立ち向かっているのが日本共産党です。

 これがいま目の前で進行している情勢です。ここで私たちが頑張り抜けば、勝利をつかむことができる。その新しい条件が広がっている。そこに確信をもって頑張ろうではありませんか。(拍手)

 ここで強調しておきたいのは、現状を批判するだけでなくて、“こうやったら解決できます”というビジョンをどの分野でも示して、希望を示し、希望を語っていくことで、はじめて国民のみなさんの心をつかむことができるということです。

 社会保障充実・財政危機打開の「提言」を、その第一歩として打ち出しました。これをぜひ使って、対話・懇談・共同の輪を広げたい。まず国会で、その後、千葉や神奈川でも、経済懇談会が予定されておりますが、ぜひ幅広い方に集まっていただいて、私たちの考えをお伝えしたいと思っております。大阪や京都の経済懇談会にもうかがう予定です。

 外交・安全保障の問題も、いまの状況にふさわしい打開の展望を大いに語っていきたい。さらに、日本共産党が伸びていくうえでは、理念の問題が大事なんです。最後に出てくるのは「共産党」という名前の問題、それと「社会主義」の問題でしょう。ですから、こういう問題についても、私たちの立場がよくわかるように訴えをしていきたい。

 経済の問題、外交の問題、理念の問題―あらゆる問題で、日本共産党こそ、未来ある党だ、希望をたくせる党だということを、広い国民のみなさんに伝える仕事に力をつくしたい。ここでも先頭に立って頑張っていくことをお約束するものです。(拍手)

「第3の躍進」の時代を、力をあわせて切り開こう

 もう一つ、訴えたいのは、強く大きな党と後援会をつくることです。

 先日、綱領教室の11回目の講義をやりました。そのなかで巨大メディアの問題を話しました。日本の巨大メディアがいかに「権力のチェック役」という本来の仕事を放棄して、逆に、悪い方向に日本の政治を無理やりひっぱっていく「しりたたき役」に堕落しているか。この異常なありさまは、欧米には見られないことです。欧米のメディアにもいろいろ問題はありますが、ときの政府と正面からたたかって、社運をかけて頑張り抜くという気骨ある仕事もやっている。日本の巨大メディアの実態は、世界にも類を見ない異常なものなのです。

 しかし、日本には、これも世界に日本だけという素晴らしいものがある。「しんぶん赤旗」という人民的メディアです。みなさんは、巨大メディアの報道ぶりをみて、悔しく思うことがたくさんだと思います。毎日、悔しい思いをされておられるのではないでしょうか。しかし、「しんぶん赤旗」があるじゃないですか。この人民的メディアを大きくして、ひとたび「赤旗」がキャンペーンをはじめたら、日本の世論が動く。巨大メディアも黙っていられなくなる。そういう状況をつくろうではないですか。

 「共産党はいいことを言っているのになかなか伸びない」という人もいます。しかし、いいことを言っているからこそ、風当たりも強いんです。支配勢力からの風当たりは強いのが当たり前で、それを打ち破ってこそ、つぎの展望が開けてくる。そこは、思いをさだめて、強く大きな党と後援会をつくる仕事にとりくもうではないか。

 戦後半世紀余の歴史を見ても、“上がったり、下がったり”でしょう。1970年代には、大躍進して600万票台を得ました。しかしそのあと、大反共キャンペーンが起こり、反共シフトもつくられて後退します。しかし、それが崩れたあと、1990年代後半に、800万票台を獲得する大躍進を記録しました。そのとき、南関東ブロックで3人の当選をかちとりました。そのあと、大反共作戦が発動され、「二大政党づくり」でずいぶん苦しんだけれども、それが崩れて、「第3の躍進」をめざそうというのが、つぎの総選挙です。600万票、800万票を獲得した経験がありますから、つぎは1000万票ぐらいのところに行くような意気ごみで、その第一歩となるような選挙にしていきたい。

 民主連合政府樹立にむけて、その第一歩を踏み出したと後世に記録されるような、選挙にするために、私も候補者として、それから党の責任者として、ありとあらゆる知恵と力をふりしぼって、先頭にたって頑張りたいと思います。

 地元の後援会のみなさんの絶大なるご支援をよろしくお願いいたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


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