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2012年2月18日(土)

政府「一体改革」大綱

経済・財政 破たんの道

消費税増税 世論調査は「反対」が多数

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 政府が17日に閣議決定した「社会保障・税一体改革」大綱は、消費税率を2014年4月に8%に引き上げ、さらに15年10月に10%まで引き上げることを盛り込んだものです。将来的には、10%以上の引き上げにも道を開いています。(清水渡)


 大綱には消費税率の引き上げと合わせて、年金支給額の減額や、お年寄りの医療費窓口負担の引き上げなど社会保障の削減が盛り込まれています。

 消費税率を現行の5%から10%に引き上げることで約13兆円、社会保障の切り捨てと合わせれば20兆円もの負担を国民に押し付けるものです。「年金改革」や「財政再建」を口実に、税率をさらに引き上げる計画もあります。

業界からも不安

 国民の間に消費税増税への不安と怒りが広がりつつあります。14日付各紙の世論調査にも表れています。「産経」調査では消費税率の引き上げに「反対」が48・9%、「賛成」は43・5%でした。「読売」調査では「反対」が55%、「賛成」が39%となるなど、軒並み「反対」が「賛成」を上回っています。暮らしにゆとりのない中、これ以上の負担増はできないと多くの国民が実感しているのです。

 消費者だけでなく、大企業の経営者からも景気への影響を懸念する声が上がっています。(別項)

中小業者苦境に

 特に、消費税を価格に転嫁できない中小業者への影響は深刻です。

 この問題について、野田首相は国会で、「(転嫁できないのは)文化を含めた仕組み」だと言い放ちました。しかし、中小業者が価格に転嫁できないのは、経済的に弱い立場に置かれていることとともに、転嫁するための法的保証がないためです。

 中小企業4団体(日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会)が行ったアンケート調査では、消費税が引き上げられると販売価格に転嫁できないという回答が、売上高1000万〜1500万円の小規模企業では71%に上ります。売上高1億〜2億円と比較的規模が大きい中小企業でも、50%が「転嫁できない」と答えています。

 国民の所得も減っています。17日に厚生労働省が発表した毎月勤労統計によると、11年の現金給与総額は前年度比0・2%減。所定内給与は6年連続で減少しています。国民の購買力がないときに、消費税を引き上げれば内需が冷え込み、景気は悪化します。日本経済も財政もますます悪くなる悪循環に陥ります。

共産党の「提言」

 消費税に頼らずに社会保障を拡充する道はあります。日本共産党は7日、「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」を発表しました。

 日本共産党の「提言」は、軍事費や不要不急の公共事業、政党助成金などのムダを一掃する財政改革と、大企業・富裕層への応分の負担を求め、同時に「ルールある経済社会」への転換をはかることで、社会保障の再生・拡充の財源は確保できると提起しています。この提言に対し各界各層から「現実的な提案」と共感が広がっています。

業界・団体も懸念 社会保障、むしろ切り下げ 景気悪化・負の連鎖にも

日本消費者連盟

 「一体改革といいながら、社会保障の充実のプランは具体的に示されておらず、むしろ、社会保障は切り下げの方向性が示されています」「(すべての商品に同一税率をかける消費税は)富の再分配機能を果たさず、低所得者の負担を相対的に増大させるものです」(2月16日の野田首相あての要請文)

主婦連合会

 「(消費税率の引き上げは)消費生活への圧迫や貧困・格差を助長していくもの」「あまりに安易すぎる措置」「高所得者ほど税負担が重くなる累進課税の強化が必要」(1月23日の野田首相あての要望書)

鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス社長

 「増税によって国内景気がさらに悪化して、消費の減少、企業倒産の増加、失業率の上昇、といった負の連鎖に直面する可能性も高まります。当然、消費税だけではなく、法人税、所得税といった税収全般がかえって低下するという事態に陥ってしまいます」(『文芸春秋』3月号)

グラフ

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