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2012年2月15日(水)

共通番号法案を閣議決定

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 政府は14日、年金や医療、税など現在は制度ごとに管理されている個人情報を一つにつなげる共通番号(「マイナンバー」)制を導入するための関連法案を閣議決定しました。国民一人ひとりと企業などに一つずつ番号をつけます。2014年6月に番号を交付し、15年1月の利用開始を目指します。

 政府は、共通番号により、「きめ細やかな社会保障」が可能になるとしています。また、消費税率引き上げ時の逆進性対策として収入が一定以下の世帯に負担増の一部を返す「給付付き税額控除」の実施に必要だとしています。

解説

狙いは給付減と徴税強化

プライバシー侵害の危険も

 野田政権が閣議決定した共通番号法案は、社会保障給付の抑制やプライバシーの侵害につながると危ぐされているものです。

 政府はこの間、共通番号制を導入すれば、「給付付き税額控除」や、社会保障サービスの自己負担の合計額に上限を設ける「総合合算制度」など、低所得者対策が可能になると宣伝してきました。

 しかし、「給付付き税額控除」は、国民生活や日本経済に破壊的な影響をもたらす消費税の大増税と引き換えであるうえ、開始時期も対象範囲も財源も決まっていません。「総合合算制度」にしても、政府が本気で社会保障の自己負担を軽減したいなら医療費窓口負担などの各種の引き上げ計画をやめ、軽減に踏み出せば済む話です。

 番号制導入の本音はどこにあるのか―。民主党の関係役員は、「税の執行をより強化していくための法案」(田村謙治内閣部門会議座長)と徴税強化が目的であると吐露しています。

 また、同党はもともと番号制を「不要あるいは過度な社会保障の給付を回避する」ために「不可欠」(2009年の政策集)と位置づけてきました。

 「社会保障の歳出を減らすためだ」(米倉弘昌経団連会長)とあけすけに語り、番号制を求め続けてきたのは財界です。経団連など財界は、一人ひとりの負担と給付を把握する「社会保障個人会計」を提言してきました。“社会保障は自らの負担の対価”という、権利としての社会保障とは相いれない考え方を広げ、給付の削減と国民負担増につなげるねらいです。

 番号制が導入されれば盗用などプライバシーの侵害も問題になります。昨年6月末の「番号大綱」自身、「深刻な被害が発生する危険性」を認めています。

 しかし、法案の個人情報保護策はお寒いかぎりです。「個人番号情報保護委員会」を新設し、監視・監督などを行うとしていますが、構成は委員長および6人の委員。基本的には各行政機関任せです。

 内閣府が昨年11月に実施した世論調査では、番号制の内容について8割以上が「知らない」と答えています。どさくさにまぎれて危険な制度を導入することは許されません。(藤原直)


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