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2012年2月9日(木)

緊迫シリア 攻撃停止へ進展なく

ロ外相、アサド大統領と会談

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 【カイロ=小泉大介】ロシアのラブロフ外相は7日、反政府勢力や住民に対する武力攻撃が続くシリアを訪問し、首都ダマスカスで同国のアサド大統領と会談しました。ロシアにとっては、4日の国連安全保障理事会でシリア問題の決議案採択に拒否権を行使したことを受け、武力行使の停止に向けた独自の外交努力を示す目的がありましたが、アサド大統領側から、新たな具体的措置は示されなかったもようです。


会談中も住民弾圧続く

 ラブロフ外相は会談後の会見で、「アサド大統領はわれわれに対し、暴力停止に向け全面的に関与することを確認した」と表明。同時に「ロシアはアラブ連盟の調停案にもとづき、危機の迅速な解決をもたらすために力を尽くす」とし、アラブ連盟とシリア政府が昨年12月に合意した軍の市街地からの撤退や拘束者解放などの調停案を基本に外交努力を続ける立場を明らかにしました。

 国営シリア・アラブ通信などによれば、アサド大統領は会談で「シリアは当初から、問題解決のためのあらゆる努力を支持してきた」「シリアの安定のためのいかなる努力にも協力する用意がある」と述べました。しかし、事態打開の具体策については、アラブ連盟監視団の活動継続や反政府勢力との対話開始、憲法改正など従来の方針以外には触れなかったとみられます。

 反政府組織「シリア国民評議会」の幹部、アルブンニ氏はロイター通信に対し、ラブロフ外相は新たなイニシアチブを何ら発揮しなかったとしたうえで、「(シリア政府が行ってきた)犯罪は、アサド大統領が統治者としてとどまる余地を残さないものだ」と批判しました。

 ラブロフ・アサド会談が行われた7日から8日午前にかけても、シリア軍による激しい住民弾圧がつづきました。中東の衛星テレビ・アルジャジーラによると、中西部ホムスには数十台の戦車が展開。ロケット弾や迫撃砲による攻撃で子ども20人を含む50人以上が死亡しました。人権活動家によれば、同地では6日には95人が死亡しました。


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