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2012年2月5日(日)

消費税増税 復興に逆行

岩手・宮古 被災地の商店主は

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 東日本大震災の被災地から、野田内閣が計画している消費税増税にたいして、「とんでもない」と怒りや不安の声があがっています。岩手県宮古市の中心街や同市の田(た)老(ろう)地域で商店主や買い物客ら53人に話を聞いたところ、7割近い35人が増税に「反対」と語りました。「野田首相は復興に逆行している」という厳しい批判も。「増税もやむをえない」という人も含めて、「消費が冷え込むのは目に見えている」との声が相次ぎました。(秋山豊、武田祐一、柳澤哲哉)


写真

(写真)「消費税を増税したら消費が冷え込む」の声が相次いだ岩手県宮古市の末広町商店街

サンダル12足で店再開したのに…

 津波で被災した宮古市の中心街。床上浸水となった末広町商店街は、地元の努力で再開しています。海辺に近い地域では、家屋の土台だけを残した更地が目立ち、シャッターに「解体OK」と書かれたままの店も残ります。店主たちは、復興へ懸命の努力を続けています。

 靴店を営む男性(40)は、「サンダル12足、ポケットには全財産9000円を持って店を再開した」といいます。「消費税が上がったらあおりをもろにくう。買い控えが出る。増税なんてとんでもない。消費税を下げれば消費も増える。野田さんは『身を切る』というが、それは間違いだ。泥をかぶって税率を下げてほしい」

 野菜産直店の女性店主(52)は、「増税したら、いままで2個買ってくれたものが1個になる。お客さんは、年金で生活するお年寄りが多いので、大変だと思う」。

 スポーツ店の男性店主(59)も、「震災で売り上げが半減した。復興しようとしているときに増税はやるべきことではない」といいながら、「別の方法で財源を確保できないのかい。中小業者ばかりが増税で、大企業には減税というのもおかしいよ。社会保障のためといいながら消費税を導入したが、少しも良くならない。野田首相は復興にいちばん逆行することをやっている」。

 肉屋を営む男性(67)は、「浸水で500万円の被害が出た。増税したらこのあたりの店はだめになる」と話しました。

 「国が破綻しかかっているので増税も仕方がないかな」と語る女性(62)は、衣料品店を営んでいます。「3%から5%になったとき、消費が落ちた。今度も買い控えが起こるのではないかと思う。社会保障を切り捨てておいて消費税を上げることにも矛盾を感じる」

 酒屋の男性店主(60)は、「買い控えが起きて厳しくなるかもしれない」といいながら、「消費税を上げないと国が運営できなくなるのではないか。民主党は自民党の後片づけをやっているように見える」と語りました。

 「増税がいいかどうか、灰色だ」と語るたばこ店の男性店主(61)は、「上げないでやっていける方法があれば教えてほしい」と迷いの表情です。

 電気用品の販売をしている女性(60)は、「財政が危機だといわれると増税もやむを得ない気もする」といいながら、「党派を超えて不況から脱する議論をまとめてほしい」と話しました。


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