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2012年1月30日(月)

経済・雇用 議論へ

きょうからEU首脳会議

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 欧州連合(EU)は30日、ブリュッセルで非公式首脳会議を開きます。南欧の政府債務問題に加え、経済成長戦略と雇用対策を協議します。実体経済の悪化にEUとしての対応が迫られています。(ロンドン=小玉純一)


 EUが緊縮策と引き換えに財政融資するギリシャやポルトガルはすでに深刻な景気後退に直面。イタリア、スペインも後退が予想されています。

 ファンロンパイEU大統領は26日、加盟国首脳に宛てた書簡で「成長と競争力を強化し、中でも雇用を創出するために積極策が必要だ」と指摘。今回の首脳会議では「若者の失業と単一市場、中小企業の各分野で取るべき緊急策に焦点をあてたい」と表明しました。

 ブリュッセルからの報道によると、EUの執行機関、欧州委員会は820億ユーロ(1ユーロ=約101円)のEU基金を再配分して各国を支援する計画です。バローゾ委員長は27日の会見で、緊縮策を実行するイタリアが教育やブロードバンドなどへの投資として31億ユーロを求めていることなどを紹介しました。

 ただしシンクタンクの研究者からは不十分との指摘が上がっています。

 ユーロ共同債にはドイツが、金融取引税には英国がそれぞれ反対し、EUの合意とならない中では、「十分な経済刺激策にほど遠い」と受け止められかねません。

 他方、首脳会議は各国に「労働市場の改革」のほか、生産性を上げつつ労働コストを抑えることも呼び掛けると報じられています。

 EU統計局の数字によると、ユーロ圏全体の労働コストは2001年以来18%増加しています。競争力強化の名で労働市場の柔軟化が主張される一方、それには「賃金を下げ解雇を容易にする」との批判も強くあります。イタリア政府が最近決めた成長戦略には解雇規制緩和策を盛り込めませんでした。

 首脳会議は、ほかに財政規律強化のための政府間協定の詳細について英国を除いて合意をめざします。また財政悪化国などに融資する常設の基金・欧州安定メカニズム(ESM)の詳細をまとめます。


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