2012年1月22日(日)
運河工事労働者 賃上げ求めスト
パナマ
【メキシコ市=菅原啓】中米パナマで運河拡張工事にあたっている約6000人の労働者が16日から、大幅賃上げを要求するストに突入し、5日間にわたって工事をストップさせています。
ストに立ち上がったのは、拡張工事全体の中でも最大の工区を担当している共同企業体「運河統一グループ(GUPC)」の労働者たち。賃金の遅配や残業手当の未払いに抗議するとともに、他の企業体に比べて不当に低い賃金の大幅引き上げを求めています。
パナマでは、運河関連の建設労働者の最低賃金は1980年に作られた法律で時給2・9ドルと定められています。労働者側はこれが据え置かれていることが低賃金の原因だとして、同法の改定を政府に要求しています。
運河通行料や運河関連の事業収入が国家財政を支えているパナマ政府はストの長期化を懸念。コルテス労働開発相は20日、5%の賃上げ案を提示しましたが、労働者の求める法律改定には態度を明確にしませんでした。
5%の賃上げでは、最低賃金は3・05ドルにしかならず、労働者、補助労働者それぞれに9ドル、5・4ドル支給を求める労働者側とは依然隔たりがあります。
スト労働者が加盟する建設等労働者統一組合(SUNTRACS)の幹部へナロ・ロペス氏は、政府が5%という具体的な数字を初めて示したことを評価。交渉によって解決する可能性はあると語っています。