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2012年1月12日(木)

大統領が弾圧否定

辞任も拒否 反体制派は反発

シリア

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 【カイロ=小泉大介】シリアのアサド大統領は10日、首都ダマスカスで演説し、自身が反体制派や住民への武力弾圧を指示したことはなく、辞任する意思もないと表明しました。同国の反体制派は激しく反発しています。

 国連は、昨年3月以降のシリア軍による反体制派と住民への攻撃で5000人以上が死亡したとしています。しかしアサド大統領は10日の演説で、「民間人への攻撃命令はない。自衛を除き、誰も攻撃を行うことはできない」などと表明。一方で、「われわれの第一義的課題は治安回復であり、それはテロを鉄拳で打ち負かすことによってのみ達成される」と述べました。

 さらに「(シリアの不安定化を狙う)アラブや西側諸国による国際的な干渉、陰謀が存在する」と述べ、「私が辞任するのは、人民の意思によるときだ」として辞任を否定しました。

 アサド大統領の演説は、昨年12月末にアラブ連盟(22カ国・機構)の監視団が武力攻撃停止のために同国で活動を開始して以降初めて。大統領は同連盟の仲介について、「連盟は過去60年にわたってアラブの利益を守ることに失敗してきた」「今回の失敗も驚きではない」などと述べました。

 大統領演説について反体制派団体「シリア国民評議会」の指導者であるガリオン氏は10日、トルコ西部のイスタンブールで会見し、「国民が待っている言葉の一言もなかった」と指摘。「大統領は人民に対し武力を使い続けることを改めて明確にした」「われわれの革命を、テロリストの陰謀と同一視したものだ」と批判しました。

 10日も軍による住民弾圧は続き、英国に拠点を置くシリア人権監視団によれば、北東部デリゾールで反政府デモ隊が銃撃され、青年ら10人が死亡、40人が負傷しました。

 9日にはアラブ連盟監視団が武力衝突に巻き込まれ、数人が負傷する事態も発生しました。監視団はシリア軍側と反体制側の双方からの攻撃に巻き込まれたもようですが、同連盟のアラビ事務局長は10日、「シリア政府が監視団メンバーの保護について全体的な責任を負っている」と述べ、政府を非難しました。


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