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2012年1月4日(水)

2012外交展望

「国のあり方」問う課題 山積

各国の首脳交代も影響

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「政治の季節」に

 2012年は主要国で大統領選や指導者の交代が行われ、世界的に政治の季節を迎えます。各国での結果は国際問題への対応や対日関係、安全保障環境の形成に大きな影響を与えます。日本も民主党政権のゆきづまりで総選挙の可能性が高まり、波乱含みです。

 1月の台湾総統選を皮切りに、ロシア(3月)、フランス(4月)、米国(11月)、韓国(12月)で大統領選が行われます。

 米仏では現職のオバマ、サルコジ両氏が勝利するかどうか予断を許さず、ロシアでは、昨年の下院選での不正投票問題でプーチン前大統領が支持を大きく減らしています。

 北朝鮮では金正日総書記の死去に伴う後継体制への移行が本格化。秋には中国で国家主席が交代します。

 激変・混沌(こんとん)の国際情勢は日本外交にも大きな影響を与えます。

TPPへの対応

 最大の問題は、オバマ米政権が自国の雇用拡大を図るために、アジア太平洋地域に環太平洋連携協定(TPP)を核とした米主導の自由経済圏をつくろうとしていることへの対応です。

 日本が参加すればTPP参加国の国内総生産(GDP)の総計のうち9割以上を日米が占め、事実上の日米自由貿易協定(FTA)になります。

 農業・医療・公共事情など、あらゆる分野で例外なく規制を撤廃するTPP。日本の経済主権を侵害し、農業に根本的な打撃を与え、国のあり方を変えてしまいます。

 オバマ大統領は昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、参加9カ国が「大筋合意した」と表明。大統領選を念頭に置き、今年中の決着をめざす考えです。すでに水面下で日米交渉が始まっているとされますが、広範な国民の反対を置き去りにした外交交渉は許されません。

 米国によるアジア太平洋での権益確保と一体で、日米同盟の強化が進められています。その柱となるのが米軍再編。野田政権は「対米公約」に沿って、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う環境影響評価書を昨年末に、県に「提出」しました。

 しかし、「提出」をめぐる混乱でかえって県民の怒りに油を注ぎました。野田政権は6月の沖縄県議選後にも新基地建設に向けた埋め立て申請を提出する予定ですが、実現の見通しはありません。

 辺野古の新基地建設とセットで進められている沖縄からグアムへの海兵隊移転も、米議会が予算を却下。2月に出される2013会計年度予算案で、米政府が計上するかどうか注目されます。

韓国と北朝鮮は

 東アジア外交では、韓国・北朝鮮との関係が焦点になります。

 韓国では、旧日本軍による「慰安婦」問題で、法的な決着を求める声が高まっています。昨年12月の日韓首脳会談では、李明博(イ・ミョンバク)大統領が初めて、韓国の賠償請求権に言及しました。この問題は今年、日韓関係の最大焦点になりそうです。

 北朝鮮は金日成(キム・イルソン)生誕100年となる今年を「強盛大国」実現の年としています。新体制のゆくえは未知数ですが、02年の日朝平壌宣言と05年の6カ国協議共同声明にたちかえり、国際社会の責任ある一員としての道を進むことが、東アジアの平和と安定にとっても、北朝鮮自身の今後にとっても、最も理性的な方向です。日本も、これら宣言・声明に基づいた外交的努力が求められています。

 領土問題では大統領選後のロシアの対応に変化が表れるのか、注目されます。

2012年 主な外交・海外日程

 1月  台湾総統選

     世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス)

 3月  ロシア大統領選

 4月  フランス大統領選(決選投票=5月)

 5月  G8主要国首脳会議(シカゴ)

 6月  G20首脳会議(メキシコ・ロスカボス)

 9月  アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ウラジオストク)

     第67回国連総会開幕(ニューヨーク)

 11月  米大統領選

     東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、東アジア首脳会議(プノンペン)

 12月  韓国大統領選

 秋   中国共産党大会


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