2011年12月28日(水)
画像診断出ない脳障害も労災に
畑野さんらに患者会が訴え
軽度外傷性脳損傷(MTBI)の患者やその家族で構成する「軽度外傷性脳損傷友の会」が27日、日本共産党川崎市議団を訪れ、畑野君枝衆院南関東ブロック比例予定候補、佐野仁昭議員らと懇談しました。
友の会の斎藤洋太郎事務局長は、▽画像診断に見えない脳・脊髄損傷で働けない場合の障害認定の等級の設定▽WHO定義・勧告を取り入れ、治療や補償などにおいて症例を生かすこと▽労災制度における再発要件の緩和―などを求めました。
川崎市に住む舞草一さん(49)は2004年、仕事中に有機溶剤中毒で倒れ、胸椎圧迫骨折と首の捻挫とされました。しかし症状が改善せず複数の医療機関に診てもらい、ようやくMTBIと診断されました。ところが労災では、MTBI診断前に障害認定されたため、より障害等級が高いMTBIでの障害認定が行われず、裁判でたたかっています。
舞草さんは、多くの患者が見過ごされている可能性を指摘。「重い症状に苦しんでいる人も多い。患者の現状を見て救済していただきたい」と訴えました。
畑野さんは「国会議員団と連携を取り、要望実現に向けて全力を尽くします」と答えました。
軽度外傷性脳損傷(MTBI)をめぐる問題 労働災害などで脳が損傷すると、記憶障害や注意障害などの高次脳機能障害、半身まひ、尿失禁など多岐にわたる症状が現れます。しかしMRIなどの画像診断では異常が発見されにくく誤診をまねきやすく、治療や労災補償などが正しく行われない事例が起きています。世界保健機関(WHO)は、2004年にMTBIの定義を作成。07年にはMTBIの予防を勧告しています。