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2011年12月25日(日)

主張

政府予算案

国民の願いを完全に裏切った

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 民主党政権が来年度の政府予算案を決めました。借金が税収を上回るのは3年連続です。

 社会保障は冷たく切り捨てる一方で大企業・大資産家向けには巨額の減税を続け、軍事費を聖域扱いにし、大型公共事業の浪費を広げています。「生活が第一」という政権公約を完全に裏切って、財界とアメリカの要求を忠実に実行しようとする予算です。

道理のない年金削減

 政府予算案に盛り込まれた老齢年金の削減は高齢者の暮らしへの配慮も道理もない暴挙です。政府は過去の物価下落の際に引き下げなかった「特例水準」の2・5%分を3年間で引き下げ、そのうち来年度は0・9%分を10月から減額します。さらに来年度は今年の物価下落分の0・3%分を4月から削るとしています。

 「特例水準」で年金は“もらいすぎだ”という宣伝はまったくのでたらめです。

 政府は2000年度からの3年間に物価下落分を年金額に反映させなかったことで1・7%分、10、11年度にも「本来水準」との差が拡大して2・5%分の「特例水準」になったとしています。しかし、2000年度からの年金額据え置きは、年金改悪で政府の試算でも年金の生涯受給総額が1200万円も減るという状況の下で取られた措置です。すでに年金受給者となっている人も、賃金スライドの廃止で大きな打撃を受けることになりました。物価下落分を反映させないことぐらいでは及びもつかない被害です。10、11年度は法律の規定に従って年金の引き下げ幅が圧縮されただけで、「特例」でも何でもありません。

 生活必需品とともに、医療費も保険料も値上がりしています。それにもかかわらず、政府は老齢年金に連動して障害年金や児童扶養手当まで削減しようとしています。血も涙もないやり方です。

 介護保険料も値上げされ、子育て予算も削られます。それでも経団連の米倉弘昌会長は社会保障削減が「不十分」とする談話を発表し、社会保障削減と消費税増税の「一体改革」推進を求めました。安住淳財務相らも改めて「一体改革」推進を強調しています。民主党の仙谷由人政調会長代行は消費税を15%に増税する必要があると24日のテレビ番組でのべています。

 予算案では基礎年金2分の1の国庫負担割合を維持するための財源として、一般会計に計上されない「交付国債」を2・6兆円分発行します。「交付国債」の償還財源には将来の消費税増税分を充てるとしています。予算と借金の総額を少なく見せかけ、同時に消費税増税を既定路線にしてしまおうという詐欺的な手法です。

暮らしに軸足を置いて

 6月に決めた「一体改革」成案の社会保障改悪の一部を盛り込んだ政府予算案は「一体改革」への一歩を踏み出す予算案です。それと同時に、財界と政府みずからが“まだまだ予算の削減も財源も足りない”として「一体改革」の全面推進へと路線を固める予算案となっています。

 こんな予算案を認めるわけにはいきません。軍事費や大型開発にメスを入れ、大企業・大資産家への新たな減税をやめてゆきすぎた減税を見直し、暮らしに軸足を置いた予算に抜本的に切り替えるよう求めます。


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