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2011年12月19日(月)

きょうの潮流

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 「投資家対国家の紛争解決」(ISDS)制度を本紙が取り上げた後、読者から「ひどい仕組みだ」と電話をいただきました▼他国に進出した企業が不利益を受けたと思えば、進出先の政府を国際的な司法機関に訴えることができるという制度です。裁くのは世界銀行傘下の国際投資紛争解決センター。判決にあたる「仲裁判断」は強制力を持ちます▼泣かされてきたのは新興国や途上国です。南米エクアドルは米国の石油企業に認めていた消費税還付の特権をやめようとして認められず、メキシコは欧州企業に廃棄物処理場の許可を更新しなかったことで賠償金を払わされました▼元をたどると植民地支配に行き着きます。この仕組みをつくったのは1965年に結ばれた投資紛争解決条約です。その5年前、アフリカ諸国がいっせいに独立。62年には国連総会で「天然資源に対する恒久主権に関する決議」が採択されました▼決議はすべての国に自国の天然資源に対する主権を認め、外国資本が資源開発する場合はその国の法に従うことを明文化しました。外国資本の資産を公益のために国が収用する権利も認めました▼なのに投資紛争解決条約は冒頭で「国際的な民間投資の役割を考慮し」とうたいます。植民地がなくなった後も欧米の多国籍企業が途上国で権益を維持するためです。米国はISDS制度を環太平洋連携協定(TPP)に盛り込もうとしています。「21世紀の通商協定のモデル」(カーク通商代表)と天まで持ち上げながら。


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