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2011年12月15日(木)

エジプト人民議会選

イスラム優勢続くか

第2回投票始まる

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 【カイロ=小泉大介】「革命」後の最初のエジプト人民議会(下院に相当、498議席)選挙の第2回投票が14日、首都カイロに隣接するギザなど9県で始まりました。11月末の第1回投票(カイロなど9県)につづき、2日間実施されます。最後の第3回投票は来年1月3日に開始予定です。


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(写真)エジプト人民議会選第2回投票で1票を投じる女性=14日、ギザ(小泉大介撮影)

 第2回投票初日、ギザの少学校で女性中学校教師、サリィ・アラーさん(28)は「ムスリム同胞団の党に投票しました。ムバラク(前大統領)時代、一貫して抵抗していたから。約束を守らなければ次は違う党に投票します」と言いました。主婦のオム・カレドさん(30)は「私は『エジプト・ブロック』。新しい議会はバランスが大事です」と語りました。

 第1回投票では、全議席の3分の2を選ぶ比例代表で、「穏健」イスラム勢力・ムスリム同胞団の自由公正党が約37%、超保守のイスラム勢力・サラフィスト派のヌール党が約24%を獲得。3分の1の小選挙区では、54議席中のうち自由公正党が36議席を占め、第1党に極めて有利な選挙制度の下、「一人勝ち」した格好です。

 これに対し、「世俗・リベラル」勢力は、比例で、左翼の国民進歩統一党らが加わる「エジプト・ブロック」が約13%、「革命継続連合」が約4%などとなりました。

 これには、イスラム勢力が弱者救済活動などで養った組織力と歴史を持つ一方、今年初めの「革命」後に結成された若者中心の政党などは知名度が不足していること、軍政継続下での選挙に抗議して、少なくない国民が棄権したことなどが影響しているとみられます。

 同時に、イスラム勢力側の「変化」にも注目が集まっています。

 ムスリム同胞団は「イスラムこそ解決策」のスローガンのもと、イスラム法(シャリア)にもとづく統治を求めてきました。今回はキリスト教徒を自由公正党の副党首に据え、「市民国家」の建設を強調。同胞団の最高指導者・モハメド・バディエ氏は5日、「われわれの目的は国家のイスラム化ではない。エジプトはすでにイスラム的だ」と述べ、幅広い政党との協力をすすめる考えを表明ました。

 一方、世俗・リベラル勢力は第2回投票に向け、小選挙区での協力関係も構築しながら、イスラム勢力への対抗姿勢を強めてきました。


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