2011年11月20日(日)
東アジア首脳会議が宣言
戦略的問題も議題へ
【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=面川誠】米国とロシアが初めて参加した第6回東アジア首脳会議(EAS)が19日、当地で開かれました。会議は「互恵関係原則に関する宣言」を採択。東南アジア諸国連合(ASEAN)を推進力とするEASが、東アジアの「戦略的、政治的、経済的問題」を話し合う不可欠の枠組みだとの位置付けを強調しました。
これまでのEASでは、金融、教育、エネルギー、防災、感染症の5分野が優先協力課題でしたが、米ロの参加を機に性格が大きく変化。ASEANを軸とする多くの枠組みを連結させる「首脳主導のフォーラム」になります。
国連憲章や、内政不干渉と武力による威嚇・武力行使の禁止を盛り込んだ東南アジア友好協力条約(TAC)などの国際法の原則を確認。共同体構築の推進、人権の促進、多様性の尊重など12項目の原則を明記しました。
注目された南シナ海問題に関しては、「海洋に関する国際法には、地域の平和と安定の維持に必須の規範が含まれる」との文言が盛り込まれました。
EASは「ASEAN連結性に関する宣言」も採択。ASEAN域内の連結性を高めることが、東アジア全体の連結性強化の第一歩となり、共同体構築を補完するとしています。
EASを最後に、17日に始まったASEAN関連首脳会議は閉幕しました。来年のASEAN議長国はカンボジアです。
EASの参加国はASEAN10カ国と日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、米ロの18カ国。TACへの加入が参加条件です。