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2011年11月4日(金)

ギリシャ債務問題

解決策は欧州の連帯 欧州労連が主張

「緊縮でなく経済浮揚策を」

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 ギリシャの政府債務問題が同国のパパンドレウ首相の国民投票提案で新たな展開となり、独仏など欧州首脳が対応に追われています。公務員の首切りや年金削減といった緊縮策では景気が後退し、債務危機はかえって拡大。欧州労連は緊縮策を前提にした路線の行き詰まりを指摘し、欧州の連帯が解決策だと訴えています。  (カンヌ〈フランス〉=小玉純一)

 パパンドレウ首相も出席したユーロ圏首脳会議は10月27日、ギリシャ国債を保有する銀行が自主的に債権を50%放棄することを新たに決め、緊縮策実行を前提に同国への融資を継続することにしました。

 パパンドレウ首相が国民投票で問おうとしているのは、この受け入れの是非。突然の国民投票発表に驚いた独仏首脳らは、説得に躍起です。

 これに対し、欧州労連のベルナデット・セゴル書記長は、ユーロ圏首脳会議決定を「持続的解決策を提示しなかった」と批判しています。

 書記長は、緊縮を柱とする債務危機の克服策が機能していないと指摘。それに代わって「欧州内での相互支援計画、(今日の)マーシャルプランが必要だ」と述べ、「連帯が解決策だ」と強調しました。

 緊縮↓国民生活の悪化↓景気後退↓税収の低化↓債務危機の深刻化―。“あり地獄”さながら、ギリシャは危機から脱け出す展望を見いだせないのが実情です。欧州労連が提起する代案は、緊縮ではなく経済浮揚策こそが必要だというもの。その財源にユーロボンド(欧州共同債)発行を要求しています。

 世論調査では緊縮策前提のユーロ圏首脳決定の受け入れには、ギリシャ国民の6割が反対。これがそのまま国民投票に反映すれば、ギリシャは融資を受けられなくなり、デフォルト(債務不履行)に陥ることは確実です。それはユーロの信頼失墜から国際的な金融危機を招く恐れがあります。

 一方、ユーロ圏にとどまることを望む同国民は7割に達します。緊縮策を国民に押し付けることがきわめて困難であることを自覚した首相の国民投票提起は、この7割のユーロ圏支持を背景に、当面の事態を乗り切る大きな賭けに出たものといえます。

 これに対し、野党や労組からは国民に責任を転嫁する「脅迫だ」と批判する声も上がっています。

 マーシャルプラン 第2次世界大戦後、米国の援助によって行われた欧州復興計画。米トルーマン政権の国務長官マーシャルが提唱。欧州諸国を早急に復興させるため、無償、低金利で経済援助を行いました。この計画に伴い、欧州経済協力機構(OEEC)が発足しました。


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