2011年11月4日(金)
G20サミットが開幕
欧州危機解決 課題に
【カンヌ(フランス)=小玉純一】先進国と新興国による20カ国・地域(G20)首脳会議が3日、南仏カンヌで始まりました。4日までの予定。政府債務問題、失業増大など世界経済の難局に、世界経済の8割を占めるG20の対応策が問われます。
欧州債務・金融危機の発端となったギリシャ債務問題では、先月下旬、欧州連合(EU)ユーロ圏首脳会議がギリシャ支援を盛り込んだ包括策で合意しました。しかし、G20会議直前に、ギリシャ首相が支援を受け入れるかどうかを問う国民投票を提示。ギリシャ情勢が緊迫し、世界の金融市場の動揺が続いています。
オバマ米大統領、サルコジ仏大統領は3日、G20を前に同地で会談し、欧州の危機解決が今回の首脳会議での最重要課題だとの見解で一致しました。オバマ大統領は仏大統領との会談後の会見で、ユーロ圏首脳会議での包括策合意を「いかにして完全かつ断固として実行するか、G20は詳細を具体化しなければならない」との認識を示しました。
中国の胡錦濤国家主席は欧州問題の解決は欧州みずから解決すべきだという立場を表明しています。
首脳会議で、日本は財政計画に取り組む姿勢を示し、2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げるとした政府・与党の方針を示し、「国際公約」とする意向です。
世界の労組や非政府組織(NGO)は、緊縮でなく雇用増による経済成長、金融取引税導入などを要求し、その進展を注視しています。