2011年11月3日(木)
高すぎる被ばく限度
原発労働シンポ 深刻な実態次々
日本労働弁護団
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原発労働シンポジウムが2日、東京都内で開催され福島原発事故後の被ばく限度引き上げの問題点や、下請け労働者のずさんな労務・安全管理の実態が報告されました。主催は日本労働弁護団。約100人が参加しました。
西野方庸(まさのぶ)・関西労働者安全センター事務局長は、厚生労働省による福島事故後の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトへの被ばく限度引き上げが国際放射線防護委員会(ICRP)勧告に照らしても疑問の余地があると指摘。同勧告の考え方からすると「もとの被ばく限度に戻して、法令改正の議論をはじめることが必要」と話しました。
約20年間福島第1原発に勤務し、事故後も4日間緊急作業に従事した男性労働者(56)も実体験を報告。
約3000人が休憩する施設では、休憩場所がなく、通路の半分のスペースで仮眠をとるなど事故直後の過酷な労働環境が語られました。
現在、男性は埼玉県で避難生活を続けるものの、雇用保険や社会保険の説明が一切なく、ハローワークに自ら申請するまで失業給付が受けられないなど、ずさんな労務管理の実態も訴えました。