「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年11月2日(水)

パレスチナのユネスコ加盟

国家承認は国際的多数

米・イスラエルの孤立際立つ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=伴安弘】国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10月31日、パレスチナの国としての正式加盟を承認しました。賛成107、反対14という票差は、パレスチナ独立国家承認が国際社会の圧倒的多数の意思であることを示すとともに、これに反対する米国やイスラエルの孤立ぶりを際立たせています。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は同日、「正義の勝利だ」と表決の結果を歓迎。ユネスコ総会に出席していたマルキ外相も「正当な権利の一部がパレスチナにもたらされる歴史的瞬間だ」と喜びを表しました。

 米国務省は、この決議案採択への対抗措置としてユネスコへの分担金の支払い停止を明らかにしました。しかし、これによって、加盟国としてとどまることができても投票権を失う可能性があります。

 イスラエルは外務省声明を発表し、「パレスチナの一方的な行動」を非難、「和平合意の可能性をなくすことになる」と述べました。同時にユネスコとの協力関係についても再検討するとしています。

 米国やイスラエルのこうした姿勢に追随する国はほとんどありません。

 一方、国連本体への加盟問題では、11日に安保理での表決が予定されています。しかし、ユネスコとは異なり常任理事国に拒否権が認められており、米国はその行使を明言しています。このため加盟勧告案が否決されることは確実です。

 1991年から続くイスラエル・パレスチナの和平交渉は、パレスチナ国家樹立に基づくイスラエルとの「平和的2国共存」を目的としてきましたが、20年たった今日も実現の見通しはありません。

 その理由は、イスラエルがパレスチナ国家の領土となるべき東エルサレムを含むヨルダン川西岸でユダヤ人入植地を拡大し、実質的に国家建設を妨害し、これに抗議するパレスチナ人を軍事力で抑えてきたことにあります。

 昨年9月初めに米国の仲介で再開された和平交渉も、イスラエルの入植地拡大で頓挫。米国はイスラエルの行動を事実上、容認し、中立公正な仲介者としての役割を果たしてきませんでした。

 この和平交渉の行き詰まりと仲介者・米国への不信と不満こそが、パレスチナに国連への正式加盟によるパレスチナ問題の解決の道を選ばせた理由でした。

 国際社会は、これまでの「米国仲介によるイスラエルとパレスチナの直接和平交渉」にかわる問題解決への新しい国際的枠組みを必要としているといえます。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ) 国連の専門機関。1946年発足。教育、文化、科学を通じて各国民の協力を促進し、世界の平和と安全に貢献することが目的。本部はパリに置かれ、機構として総会(2年ごと)、執行委員会(年2回)、事務局があります。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって