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2022年4月15日(金)

ケア労働者 賃上げ不十分

政府処遇改善事業 回答組合数は43%

国民春闘共闘・全労連

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(写真)会見する黒澤事務局長(右から2人目)ら=14日、厚生労働省

 国民春闘共闘・全労連は14日、厚生労働省で記者会見し、岸田政権によるケア労働者賃上げ(処遇改善事業)を受けた春闘の回答状況を発表しました。賃上げ回答があったのは医療・介護・福祉労働者の3単産891職場のうち43・3%にとどまることを明らかにしました。政府の賃上げ効果は極めて不十分だとして、すべてのケア労働者の抜本的な賃上げが行われるよう制度の抜本的改善を訴えました。

 看護師は16・2%、介護士は53・4%。保育士は91・3%となったものの民間が大半で、学童保育は76%でした。処遇改善の方法は手当が83%、基本給改定は13%でした。

 政府の賃上げ策は看護師が4000円、介護、保育などが9000円でした。手当額は労組の奮闘もあり、平均8337円、基本給改定の平均は7192円。学童保育職員が8790円、障害福祉職員5150円、介護職員6011円でした。

 黒澤幸一事務局長は、(1)一部の職員だけに対象が限定されている(2)申請期間が短く手続きが間に合わない(3)10月以降の制度継続の見通しが不明確―と問題点を指摘し、「すべてのケア労働者の抜本的な賃金改善が図られるよう制度の改善を本気で行うよう求めていく」と述べました。

 日本医労連の油石博敬書記次長は「21春闘の回答と変わっておらず賃金改善には至っていない。ケア労働者の賃金が必ず9000円、4000円上がる状況にはなっていない」と指摘しました。自治労連の石川敏明書記長は「申請期間が短く、自治体がコロナとたたかっていることを考慮した制度設計になっていない」と話しました。


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