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2021年7月14日(水)

防衛白書 「武力行使」旧見解を削除

安倍前政権「閣議決定」のみ記述

 2021年版防衛白書では、憲法9条のもとで認められる武力行使(自衛の措置)の要件について、18~20年版には記載のあった、安保法制施行前の政府見解を全面的に削除し、集団的自衛権の行使を容認する現行の解釈のみの記載となりました。

 政府は、憲法9条は武力行使を禁じているものの、「わが国に対する急迫不正の侵害」が発生した場合などの要件(武力行使の3要件)を満たせば武力行使が可能との見解をとっていました。

 しかし、安倍前政権が14年、この憲法解釈を閣議決定で全面変更。「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされる」などの「武力行使の新3要件」を打ち出しました。これにより、海外での米国などの戦争に参戦する集団的自衛権の行使に道を開きました。

 白書はこれまで、解釈変更前と後の武力行使の要件について、変更点が分かるように併記していましたが、21年版は旧3要件を削除し、存在しなかったかのような記載となりました。安倍政権の憲法解釈変更をめぐっては、多くの憲法学者や司法関係者が違憲と主張。こうした解釈の上に成り立つ安保法制に対する違憲訴訟が全国各地でおこっています。


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