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2021年4月25日(日)

主張

温室ガス削減目標

さらに引き上げ責任を果たせ

 米バイデン政権主催の気候変動サミット(22~23日)で、菅義偉首相は2030年度の日本の温室効果ガス削減目標を「13年度比で46%減」とすると表明しました。従来の「26%減」目標から上積みしたものの、気候危機打開に求められる水準からすれば、大きく立ち遅れたままです。欧州連合(EU)などが掲げる50%以上の削減を目標に据え、達成のためにエネルギー政策などを根本から転換をしなければ、地球の現在と未来に責任を果たすことはできません。

トップレベルどころか

 地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、今世紀末の世界の平均気温上昇を、産業革命前と比べ2度より十分低く抑え、1・5度に抑制する努力目標を設定しました。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書(18年)は、「1・5度」実現には、30年までに世界全体で温室効果ガスの排出量を45%削減(10年比)し、50年までに実質ゼロにする必要があるとしています。

 120カ国以上から50年までの実質ゼロの表明が相次ぐ中、菅政権も昨年10月、ようやく「実質ゼロ」を掲げました。ところが30年度目標は26%減のままだったため、大幅引き上げを求める声が国内外で高まっていました。46%減(10年比換算で約42%減)はあまりにも低すぎます。

 EUは55%減(1990年比)です。気候サミットでは、「30年に68%減(90年比)」だった英国が35年までに78%減の新目標を表明し、米国も30年までの50~52%減(05年比)を打ち出しました。先進国では50%超の削減が当たり前になっている時に、やっと46%減を掲げた日本には「世界の脱炭素のリーダーシップをとっていく」(首相のサミット演説)などと胸を張る資格はありません。

 実効性も問われます。目標達成には石炭火力発電所の全廃が不可欠です。国連のグテレス事務総長は気候サミットで、日本など「最も豊かな国々」に同発電の30年までの段階的な廃止を求めました。ところが菅政権は、石炭火力に固執し、新増設まで図っています。同発電所の輸出支援でも、すでに決定した計画をやめようとしません。世界の流れに逆行する政策を改めないで、削減目標を引き上げたといっても説得力はありません。石炭火力からの決別こそ急務です。

 脱炭素の電源として原発頼みが加速していることは重大です。経団連の中西宏明会長は「46%削減」目標についてのコメントで、原発の「着実な再稼働、リプレース(建て替え)・新増設」に政治が指導力を発揮するよう要求しました。自民党の電力安定供給推進議員連盟も23日、エネルギー基本計画に原発の最大限活用の明記を求める提言を政府に出しました。東京電力福島原発事故に全く反省のない原発固執は国民の願いと相いれません。再生可能エネルギーの飛躍的普及と省エネで脱炭素の流れを促進する道に踏み出すべきです。

COP26へ本気の努力を

 世界の研究者の国際NGOや若者たちは60%超の削減を日本に求めています。世界5位の排出国で、過去からの累積排出量の多い日本の姿勢が問われています。今年11月に英国で開催予定の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向け、日本は一層の目標引き上げが求められます。


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