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2013年4月4日(木)

主張

北朝鮮の挑発

核兵器を弄(もてあそ)ぶのはやめよ

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 挑発的な言辞を繰り返している北朝鮮が、今度は寧辺(ニョンビョン)にある黒鉛減速炉を再稼働させると表明しました。核兵器の原料であるプルトニウムを取り出すためです。今回の表明はたんなる脅しにとどまらず、国際社会から厳しく非難されている核兵器の開発や生産をあくまで進めたいとする核兵器への固執ぶりを鮮明にしたものとして重大です。

好戦的言辞に懸念

 北朝鮮は先月来、韓国や米国に対する“軍事脅迫”を強め、緊張をあおってきました。朝鮮戦争休戦協定の「白紙化」を言い出したのに続いて、韓国との関係を「戦争状況」とみなし、米本土を含む米軍の拠点への先制攻撃を唱え、在日米軍基地のある「横須賀、三沢、沖縄」も攻撃目標として言及するなど、その異常さは際立っています。

 好戦的言辞の一つ一つを過大にみるべきではありませんが、不測の軍事衝突が起きる可能性も否定できません。北朝鮮は2010年、韓国の延坪島(ヨンピョンド)を砲撃し犠牲者を出しています。この間の北朝鮮の挑発を前に、米韓両国も大規模軍事演習を実施し、米国は核攻撃が可能なB2爆撃機を米本土から派遣するなど、軍事力をみせつけています。各国は緊張激化を防ぐ努力をこそ強めるべきです。

 一連の挑発は、核実験や事実上のミサイル発射を強行した北朝鮮に対し、国連安保理が非難と制裁強化の決議を全会一致で採択したことへの反発として始まりました。国連加盟国としての義務を踏みにじり、国際社会に公然と挑戦することは許されません。

 寧辺の原子炉は07年、北朝鮮と米韓日中ロによる6カ国協議に基づいて稼働が停止され、翌年には北朝鮮が冷却塔を爆破したことから、核開発放棄に向けたシンボルとなっていた施設です。その再稼働には核兵器開発の意思を誇示する狙いがあります。

 北朝鮮の姿勢は、国際社会に対して自らを公然とした「核兵器保有国」と認めさせようとするものです。北朝鮮が核兵器を保有することは、北東アジアと世界に対するあからさまな脅威であり認められるものではありません。北朝鮮のいう「人工衛星」開発も、核兵器の運搬手段であるミサイルと同じ技術を使うものであり、禁止は当然です。異常な挑発の陰で北朝鮮による核兵器とミサイルの開発という根本問題が固定化され、解決の道筋が失われることがあってはなりません。

 北朝鮮は核開発と並んで経済建設を追求する姿勢もみせています。経済建設を国際協力なしで進めることはできず、孤立を深める一方の挑発をいつまでも維持できるものではありません。国連安保理は北朝鮮に対して厳しい経済制裁を科しています。それは制裁のための制裁ではなく、対話に向けて北朝鮮の姿勢を変えさせようとするものです。

非軍事での努力を

 北朝鮮問題は、対話を通じて政治的、平和的に解決しなければならないことが国際社会の共通認識です。朝鮮半島の非核化と日朝、米朝の国交正常化、北東アジアの恒久的平和の体制などを盛り込んだ05年の6カ国協議共同声明の意義はいよいよ強まっています。各国には非軍事での一致した粘り強い努力が求められています。


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