しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

テレビ

【1月のテレビラジオ面~新しい年を迎えパワーアップ! 旬な「人」と「話題」を届けます】

☆「思いのままに」~70歳・泉谷しげるさん、体を張って「悪者成敗」

☆NHK大河「いだてん」 中村勘九郎さんと阿部サダヲさんが躍動!

☆「ラジオとともに」~福岡の音楽と個性を描くDJ・栗田善太郎さん

 石井彰トップ.jpg

              (拡大紙面はこちら


□「おもいのままに」~70歳・泉谷しげるさん、体を張って「悪者退治」(7日付)

 新春からご町内を騒がす「ワル」を相手に大暴れ。テレビ東京の新春ドラマスペシャル「三匹のおっさんリターンズ!」で、柔道の使い手・シゲを演じる覚悟を熱く、飾らずに語ります。70歳になった今年の目標は「自分の描いた絵の前でライブをやる」ことだとか。(記事を読む

□NHK大河「いだてん」 中村勘九郎さんと阿部サダヲさんが躍動!(1日付)

 いよいよNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」が走り出しました。「日本で初めてオリンピックに参加した」金栗四三役の中村勘九郎さん、「初めて日本開催を実現した」田畑政治役の阿部サダヲさんが語る、大河と五輪への思いとは?(記事を読む

□「ラジオとともに」~福岡の音楽と個性を描くDJ・栗田善太郎さん(28日付)

 福岡を拠点に「ラジオと音楽」にこだわり続ける人気パーソナリティー・栗田善太郎さんが登場。「シーナ&ロケッツ」はじめ、1970年代から若者の心をとらえた「めんたいロック」の源流をたどると、地方ラジオ局の「大切な役割」が見えてきたといいます。(記事を読む
 

●「新しい年に」~放送関係者からのメッセージ(3日、16日、23日、24日付)

 激動する放送界で活動する人や研究者、視聴者団体代表らから、今年の抱負を寄稿してもらいました。須藤春夫さん(法政大学名誉教授=記事を読む)、川名真理さん(雑誌編集者=記事を読む)、丹原美穂さん(視聴者団体代表)、小泉達郎さん(KBS京都労組委員長)です。

●復興応援あり、大自然あり! 特集・地方発バラエティー(14日付)

 地方局制作のバラエティー番組が元気です。東北放送「これが東北魂だ」は、宮城県出身のサンドウィッチマンが「石巻おでん」を応援。信越放送「不思議ジャパン、世界へ!」は、海外で注目される日本のモノや文化に注目。濱田岳がブラジルの大自然と共に生きる人たちに密着したCBCテレビ「アマゾン体感」。見どころは…。(記事を読む

●長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」~貫地谷しほりさん、樫山文枝さんの思い(21日付)

 NHKの長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」が2月6日、BSプレミアムで放送されます(後9・0)。主人公の貫地谷しほりさんと樫山文枝さんは、「朝ドラ」元ヒロイン。それぞれ、作品への思いを語ります。(記事を読む

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 9月の「休憩室」(毎週日曜日掲載)

 ☆沢口靖子さん(6日) おなじみの「科捜研」から幕末へ。14年ぶりの時代劇「小吉の女房」(NHKBSプレミアム)で、勝海舟の母・お信を演じます。

 ☆吉岡里帆さん(13日) BS‐TBS「吉岡里帆 神秘のハワイ 宇宙と地球をつなぐ島」でハワイ島へ。巨大望遠鏡で世界一の天体観測を体験しました。

 ☆岡田結実さん(20日) テレビ朝日系「わたしのおじさん~WATAOJI」で、番組制作会社の新人ADを熱演中です。「永遠に撮影が続けばいいな」と役にぞっこん!

 ☆夏菜さん(27日) 日本系「人生が楽しくなる幸せの法則」で演じる主人公は、生きることに不器用な会社員。朝ドラヒロインから成長し続ける29歳に、注目です。

●好評「試写室」 新ドラマ、話題のドキュメンタリーを紹介

 ジャーナリストや作家、ライター、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

●石子順の「映画の窓」

 毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選。その見どころを〝直球解説〟で届けます。

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

  毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。通称「ゲツトク(月特)」。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」(随時掲載)が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇石井彰の「テレビ考現学」(第1月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

放送作家・石井彰さんによる新連載が11月からスタートしました。その名も「テレビ考現学」。テレビ界の最新事情や番組評を〝ご意見番〟的に語り尽くします。(紙面を見る

◇武田砂鉄の「いかがなものか」(第3月曜日付)

 テレビを見ていて感じるモヤモヤの正体って何? 新著『日本の気配』が話題となっている気鋭のライター・武田砂鉄さんが、芸能から政治までズバッと切り込みます。

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」(第4月曜日付)

国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に!

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

月末の14面「テレビラジオ」コーナーで、民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本など数々の作品を手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎思いのままに/ミュージシャン・俳優  泉谷しげるさん/体張り悪者を追う70歳

 〝おっさん〟ドラマのさきがけ! 1年ぶりの登場です。新春ドラマスペシャル「三匹のおっさんリターンズ! 平成ラストの大暴れ&悪党まとめて大成敗SP!」(14日 東京系 後9・0)が放送されます。〝三匹〟の一人、柔道の使い手・シゲこと立花重雄を演じる泉谷しげるさんは、飾らず、時には熱く、ドラマやエンターテインメントへの思いを語りました。(小川浩)

 痛快に悪事に鉄ついを下す〝三匹〟は健在です。目を光らせるのは、シゲと、キヨこと清田清一(北大路欣也)、ノリこと有村則夫(志賀廣太郎)の3人。
 「3人の共通した感想なんですけど、シリーズ化されて続いてしまった、やべえなあ。それはどういうことかと言うと、高齢者、女性、子どもが見てくれて、北大路先輩は、3歳の子どもからファンレターをもらった。俺なんかも小学生から黄色い声が、かかるようになっちゃった。正義の味方でいたいと思うタイプではないけど、すごいおもしろいことだと感じている」

□3人は本気

 今回も、体を張って悪者を追い詰めます。70歳の覚悟がにじんでいます。
 「毎回、悪人を追いかけたり、投げたりして、3人ともハアハア言ってますが、俺は以前からやりたかった。丹下左膳、宮本武蔵…。映画全盛期に昭和のチャンバラ作品を見てきたから」
 ドラマでは、化粧品の販売競争に組み込まれていく人の心や弱さが織り込まれています。
 「耳当たりのいいことを言われて手を出した身内が被害にあい、3人は本気になる。そこがドラマの魅力。エンターテインメントを通して、誰の身にも起こりそうな事件を自分の事に置き換えることができる」
 代表曲「春夏秋冬」(1972年)などで知られるミュージシャンですが、79年にはドラマ「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」(テレビ朝日)で、俳優としても一躍脚光を浴び、俳優歴は40年。「嫌々ながらやってるくらいがちょうどいい」と謙遜します。

□地域に愛着

 93年の北海道南西沖地震、雲仙普賢岳噴火災害、阪神・淡路大震災、東日本大震災などの被災地に出向き、心を寄せてきました。昨年は「阿蘇ロックフェスティバル」(熊本)などに出演。
 「楽しんでもらうために看板はロックフェスだけど、気持ちは応援だから」
 今年も力を入れるのは、2016年に地域活性化を目指し「自分の描いた絵の前で音楽ライブをやりたい」と、スタートさせたイベント「泉谷しげるアートオブライブ」です。
 「地域というものに愛着を持って描いている」。根底には「俺たちの世代は、今と比べたら不便だったから工夫したんです。隣近所と仲良くし、(職場や学校で)仲間を作った」という思い。
 「スマホ(スマートフォン)や、インターネットがあって、便利になっちゃうと人を頼らないし、自己責任の世界に入っちゃう。あえて不便でいて、顔を合わせてお互いに知恵を使う方がいい。ちょっと戻ろう。便利さのせいで老け込まないために」

「三匹のおっさんリターンズ! SP!」
 キヨ(北大路欣也)、シゲ(泉谷)、ノリ(志賀廣太郎)の3人は、記憶喪失の栗子(瀬戸朝香)と偶然、知り合います。そんな中、「女性の社会進出」を掲げる社長・峰岸美鈴(真飛聖)の化粧品販売会社「レディドゥ」の販売員としてシゲの妻・登美子(藤田弓子)とキヨの義理の娘・貴子(西田尚美)が働き始めますが、営業競争に巻き込まれ、さらに大きな事件が起こり…。

 いずみや・しげる 1948年青森県生まれ。71年、「泉谷しげる登場」でレコードデビュー。ドラマ「金曜日の妻たちへ」「Dr コトー診療所」「ぬけまいる~女三人伊勢参り」(第2話)などに出演。2013年、デュエットアルバム「昭和の歌よ、ありがとう」が大ヒット。日本レコード大賞優秀アルバム賞などを受賞。第64回NHK紅白歌合戦に65歳で初出場。
(1月7日付)


◎新NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」/平和の祭典、笑いで描く

 中村勘九郎が大地を疾走し、阿部サダヲが熱くほえまくります。6日から始まるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」(後8・0)。日本で初めてオリンピックに参加した金栗四三(勘九郎)と、日本で初めての開催を実現させた田畑政治(阿部)の2人を軸に、オリンピックをめぐる激動の半世紀が描かれます。(佐藤研二)

 「いだてん」は、大河ドラマでは珍しい「2部構成」で、「近現代」が舞台です。
 中村勘九郎さん演じる金栗四三は、1912年のストックホルム大会に出場したマラソン選手。「大河の主役といえば甲冑(かっちゅう)なのに、ユニホームと体操着という史上いちばん地味な衣装です」と笑いつつも、金栗になりきるためのハードなトレーニングを積んできました。

役作りで一変

 ランニングはもちろん、残された映像を研究し、食事にも気を使ってきたといいます。12月の記者会見で勘九郎さんと対面した、阿部サダヲさんが「別人かと思った」と驚くほどしぼりこみました。さらに、「一途(いちず)に極めていく男」を表現するために、「もっと自分を正さなければ」と痛感したと言います。
 「金栗さんは国の支援もなく、オリンピックでは途中棄権します。彼のプレッシャーを演じていて、本当に勝ちたかったと思いました。役者に勝ち負けはなく、負ける悔しさというのがわからなかったけど、スポーツの見方が変わりました」
 後半を盛り上げる阿部さんは、64年の東京大会を成功に導いた東京オリンピック組織委員会事務総長・田畑政治役。「猪突猛進型で、前しか見えない。当時、周りの人が止めるのが大変だったのではないかな」。たばこを逆さにして火を付けたり、渋滞すると前の車を押すというせっかちなエピソードは史実だとか。
 圧倒的な行動力と言葉で難問を突破していく田畑。「たとえば、〝大河の主役に阿部サダヲはだめだよ〟みたいに思われることをやらないと、周囲も動かないんじゃないですか」と、自身の存在感や持ち味を大事にしたいと強調します。
 「大河ドラマの歴代の主役をみると、すごい人たちがやっています。そこを変えていきたいというか、『笑い』というものをいっぱい持っていきたい気がします」

クドカン脚本

 2人がそろって感心するのが、宮藤官九郎さんの「読んで笑える」(阿部さん)脚本。その中には、オリンピックが本来持つ「平和」への願いが込められています。「熱い魂を持ってスポーツと平和のことを考えている人間たちの夢をつなげていきたい」と勘九郎さん。阿部さんも言います。
 「(田畑は)自分が育てた選手が戦死したのを見ているので、希望を持たせたいという思いがあったのではないかと。オリンピックって、いろんなところで戦争が起きているけど、選手が一緒になることで分かち合ったりするじゃないですか。こういう人たちがいたからこそ、いま平和になっているとわかっていただけるといいですね」

あらすじ 1909年、オリンピック参加を要請された東京高等師範学校長・嘉納治五郎(役所広司)は、予選会を開催。マラソンで優勝した金栗四三(勘九郎)らがストックホルム大会に出場しますが…。日本が戦争へと突き進むなか、40年の東京大会は〝返上〟。田畑政治(阿部)らの尽力で、ついに64年の東京開催が決定しますが、幾多の困難が待ち受けていました。脚本・宮藤官九郎、演出・井上剛ほか。
(1月1日付)


◎ラジオとともに/ラジオパーソナリティー 栗田善太郎さん/音楽の街福岡の個性描き出す/曖昧なメディアあっていい

 長渕剛やチェッカーズはじめミュージシャンを輩出してきた福岡県。「日本のリバプール」と称されるほど音楽と密接に結びつく街を、「ラジオ」を通じて見つめてきた人がいます。ラジオパーソナリティーの栗田善太郎さん(47)。地域独自の文化を支えるラジオの魅力や役割を熱く語ります。(佐藤研二)

 博多港が見渡せる福岡のラジオ局「CROSS FM」スタジオ。毎週月曜から金曜日の午後6時から、栗田さんがパーソナリティーを務める音楽情報番組「URBAN DUSK」が始まります。マイクに向かう口調は、ゆっくり、はっきり。「他局やテレビでは流れない曲をかける」こともチャレンジの一つです。

危機感と反発心

 「おとなが聴いて耐えうる音楽番組を、今のこのタイミングでしっかりつくろうということで始めました」。強い決意の背景には、先細りする一方のラジオメディアへの危機感、さらに「福岡でミュージシャンが大きなライブをやっても、もうけは東京の会社が持っていってしまう」構図への反発があったといいます。
 「本当にラジオがリスナーや地域の利益になっているのか、信用されるに足るメディアになっているのでしょうか。音楽好きなおとなの方々の信用を取り戻し、地域性という個性を出すことで、何かしらの役割が見つけられると思うのです」
 時代は変わっても、福岡発の独自ブランドは、「ロックを中心とした音楽」ではなかったか…。模索を続ける栗田さんは昨年、ラジオドキュメンタリー番組「Let the Good Times Roll!!」を制作しました。70年代に博多から全国に波及した「めんたいロック」と呼ばれた音楽シーンの源流をたどります。

めんたいロック

 番組は、めんたいロックの礎を築いたバンド「サンハウス」に焦点を当て、元メンバーで後に「シーナ&ロケッツ」を結成した鮎川誠さんと、レコード店とスタジオを開いて鮎川さんら若手ミュージシャンを支えた松本康さんへのインタビューで構成。若者たちの情熱が「街の個性」をかたちづくってきた歴史を鮮やかに描き出しました。
 「40年前は音楽機材も不十分だし、東京との距離も遠かったと思います。でも、あやふやで曖昧なものに対する渇望が、反骨精神にあふれた〝めんたいロック〟を生み出しました。番組を制作して、故郷の素晴らしさやラジオの方向性に改めて気付かされました」
 父親は福岡のラジオDJの草分け的存在といわれる栗田善成さん。25年前、その背中を追って業界に入った当初は、担当した収録番組を毎回聴き直すことで「耳」を鍛えたと笑います。「ラジオって『しゃべる』仕事だと思われがちなんですが、『聴く』仕事でもあるんです」。山下達郎さんや細野晴臣さんらへのインタビューを通じて聴く力を磨き、多くのミュージシャンや音楽ファンの信頼を得てきました。
 「聴く、選曲する、伝える、そして想像する余地を残すことは、すごく重要なことだと思います。強烈なイメージだけで伝えると、答えが『YES』と『NO』の二つしかでてきません。曖昧で、押し付けがましくないメディアがあってもいいんじゃないですか」
                           ◇
 「URBAN DUSK」は「ラジコ」(エリアフリー=有料)で全国で聴くことができます。

 くりた・ぜんたろう 1971年福岡市生まれ。ラジオパーソナリティー、タレントとして福岡の主要ラジオ局で活躍。自身が制作・出演したCROSS FM「HAPPY HOUSE」(2015年)が第11回日本放送文化大賞グランプリ、「Let the Good Times Roll!!」(18年)が日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント部門最優秀賞を受賞。
(1月28日付)


◎新しい年に/法政大学名誉教授 須藤春夫/東京一極集中の歪み解決へ地方メディアの役割

 放送にかかわる各界の方に新年の抱負や思いを寄せていただきました。(随時掲載)

 東京への一極集中が進み地方の歪みはいっそう広がっています。地域の問題を掘り起こし解決への世論をつくり出すうえで地方メディアの役割は欠かせません。
 メディア総合研究所(所長・砂川浩慶立教大学教授)は昨年12月8日、石川県金沢市でローカル放送に焦点をあて、地方政治や行政にどう向き合うかシンポジウムを開きました。パネリストは富山・石川・福井3県の民放記者5人。筆者はコーディネーターを務めました。

不正疑惑報道で

 富山県のチューリップテレビ(以下、TUT)は、富山市議の政務活動費不正疑惑報道で大活躍した局。2017年のメディア関連の賞を総なめする高い評価を得ています。パネリストで参加した報道デスクはこの政活費報道の意義を次のように報告しました。
 ①TUTのスクープに続いて県内メディアが一斉に疑惑追及で足並みがそろい権力に向き合う強い力になった②キー局のTBSが全国ニュースで取りあげたことで政務活動費問題が他県に共通するテーマとなった③閉鎖的だった富山市議会の改革が目に見えて進んだ④全国・県内の市民からの励ましの声に支えられた―などです。
 TUTが突破口を開いた報道は行政や地方政治の監視役を担ったといえます。同席した他のパネリストからも称賛の声と記者仲間として刺激を受けたと発言があり、スクープを生んだ取材をめぐり議論が交わされました。

記者の「怒り」が

 北陸放送(石川県)の報道デスクは取材の原点は記者としての「怒り」にあると指摘、各パネリストから賛意が示されました。記者も地域の生活者です。暮らしを侵すものを許さない「怒り」の感性は、問題発掘や背景を探る動機として重要です。発表ものに依存しない独自の調査報道につながる視点といえます。
 石川テレビはニュースを深く掘り下げるミニ企画の重視。北陸朝日放送は石川県内の限界集落や産廃問題などへの取り組み。福井放送は若手記者の問題意識をどう涵養するかが課題にあるなど、多角的で率直な意見が述べられました。
 今回NHKの参加は得られませんでしたが、ローカル放送の信頼性を担保しているのは、民放記者たちの地方・弱者を切り捨てる怒りと権力への批判力にあるのが明らかになったシンポジウムでした。

 すどう・はるお 民放連研究所を経て法政大学教授、メディア総合研究所所長を歴任。現在、法政大学名誉教授
(1月3日付)

◎新しい年に/雑誌編集者 川名真理/「ニュース女子」いまも存続/ヘイト番組拡大許さない

 テレビ番組「ニュース女子」の問題に取り組んで、今年1月で丸2年になる。「地上波放送でデマはダメ。ヘイトはダメ」と訴えて、放送責任のある東京MXテレビに訂正と謝罪を求めてきた。行動のかいあって、MXは昨年3月に「ニュース女子」の放送を終了し、8月には不十分ながらも反省とおわびの見解を出した。私たちは当初の目的を一定程度、達成したが、まだ終えることができない。

中止求める運動

 番組制作会社のDHCテレビがBPOの意見を「言論弾圧」と捉え、「ニュース女子」の制作を続けているからだ。同社はネット配信番組「虎ノ門ニュース」などで、出演者の百田尚樹氏らを中心に「ニュース女子」のデマ・ヘイトを拡大再生産もしている。また、全国19の地方放送局が「ニュース女子」を放送している。(昨年11月現在。市民有志調べ)
 「デマやヘイトを発信したり加担したりする企業は生き残れない」というメッセージを市民から強く発信する必要があると考え、「DHC私は買わない」タグや、放送継続局に放送中止を求めるハガキを配布している。より多くの人にこのアクションを知ってもらい、協力していただきたいと願う。

政権がデマ流す

 さて、「ニュース女子」が沖縄の基地建設反対運動をターゲットに誹謗中傷したことは、権力による弾圧と無関係ではないと私たちは考えている。これまでは巧妙で姑息なやり方でデマやヘイトが流された。ところが最近の安倍政権は、デマやヘイトを流す企業や個人との関係を隠そうともしない。昨年9月、安倍首相は「虎ノ門ニュース」に臆面もなく出演した。自身のツイッターで、百田氏の著書の宣伝もしている。悪びれることもなくデマ屋、ヘイト屋を「用心棒」にして、政権を非難する者の声を封じようとしているのだ。
 政府がつく嘘の度合いもひどさを増している。辺野古の海に投入される土砂は誰が見ても赤土なのに、政府は岩ズリとして押し通す。政府が黒といえば、赤も黒になる。これも力の誇示ではないだろうか。
 今年は、そういう危機的な状況が加速度的にひどくなる、いやな予感がする。その中でいかに正気を保ち、慎重に真実を見極め、議論をいとわず、おかしいことはおかしいと言い続けることができるか。市民の力がますます試されていくと思う。

 かわな・まり 沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志・呼びかけ人。フリーの雑誌編集者。沖縄差別と向き合い抗う市民たちという行動名で、街頭宣伝の企画・実施にも取り組む。
(1月16日付)


◎地方発バラエティー/復興応援あり/大自然あり

 東北の復興応援あり、アマゾンの大自然あり、海外から注目される日本の不思議も…。元気で魅力的な民放ローカル局制作の番組が、今年も全国ネットで放送されます。

新名物「石巻おでん」の普及

 ■東北放送(仙台)「サンドのこれが東北魂だ ニッポン全国!人情おでん 三陸・石巻より愛を込めて」(27日 TBS系 後4・0)
 宮城県出身のサンドウィッチマンが、「食」を通じて震災からの復興を応援する毎年恒例のシリーズ。今回のテーマは「おでん」。
 宮城県石巻市は焼きちくわの発祥地といわれますが、東日本大震災後に再建できた業者は3社のみ。全国1位を誇った県の練り物生産量も、盛期の半分以下に落ち込んでいます。
 番組では練り物文化を守り、工夫をこらしたおでんの普及に奔走する人々の姿を追います。サンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけし、鈴木奈々の3人は、本場の静岡県で石巻おでんを宣伝しようとイベントを行います。
 「静岡で『おいしい』と食べてもらい、石巻おでんの可能性を感じました」と伊達が太鼓判を押せば、富澤も「名物として定着するよう地元で広げていってほしい」と話しています。(一部放送されない地域があります)

海外から注目、日本の不思議

 ■信越放送(長野)「不思議ジャパン、世界へ!~宙に浮かぶ茶室」(19日 TBS系 後4・0)
 海外から注目を浴びる日本のさまざまなモノや文化。その中には、外国では大人気なのに、日本ではあまり知られていないものがある―。そんな「不思議ジャパン」の秘密に迫ります。
 東大名誉教授で建築家の藤森照信さんがつくる茶室は、宙に浮かんだり、地面に半分埋めてみたり、童心をくすぐるものばかり。世界各地から依頼が相次ぎ、昨年1年間だけでも、インド、アラブ首長国連邦、デンマークなどで制作しました。
 ところが、棟上げした後に変更を要求されるなど、想定外の困難も待ち受けていました。現場での奮闘に密着取材しました。
 このほか、アメリカでなぜか人気の日本の中古軽トラックや、外国人観光客が殺到している長野県の山あいの温泉郷のナゾも探ります。
 MCは、サンドウィッチマン、リポーターは、河北麻友子。

「大自然に生きる理由」探求

 ■CBCテレビ(名古屋)「濱田岳アマゾン体感 暴れ怪魚と猛牛大移動」(26日 TBS系 後2・0)
 俳優の濱田岳が、多様な生き物が生息する南米ブラジルを舞台に、動物と向き合って生きる自分と同世代の父親2人の仕事を体験、大自然の中で「生きる理由」を探ります。
 アマゾン川流域の都市・マナウス周辺にある村・カタラォンは、世界でも珍しい水上家屋の村です。濱田は、妻と3人の子どもを養う漁師に密着。1億年もの間、その姿を変えていないという巨大な古代魚の捕獲に挑みます。
 また、アマゾンに匹敵する生命の楽園である湿原・パンタナールでは、ピアオンといわれるカウボーイとともに、300頭もの牛の大群を大移動させます。途中、暴走した牛の群れに囲まれるハプニングも体験します。
 昨年9月上旬に2週間行われたロケで濱田はどんな表情をみせるのか―。
(1月14日付)


◎長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」/朝ドラ・ヒロイン共演/登らねばならない階段を実感・貫地谷しほりさん/噴火被災の記憶伝えるために・樫山文枝さん

 長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」(NHKプレ 後9・0)が2月6日に放送されます。NHK連続テレビ小説のヒロイン2人の共演が実現しました。(小川浩)

○地元感覚を大切に

 主人公の桐畑瑞樹を演じるのは、貫地谷しほりさん。女優という仕事を改めてかみしめて、その思いを会見で語りました。
 雲仙普賢岳を望む島原を舞台に、名店の白玉だんご「かんざらし」の復活に奮闘する人々のドラマです。
 役作りについて、「東京からいろいろな思いを抱えてやってきて、地域おこしを担いますが、気持ちの面で思うところがある女性です」。滞在中は、「スーパーへ行って、毎日、自炊していました」と地元で暮らしている感覚を大切にして演じました。
 連続テレビ小説「ちりとてちん」(2007年度後期)のヒロインを演じた貫地谷さん。1991年に大噴火した雲仙普賢岳にまつわる、ドラマの核となるシーンで、テレビ小説「おはなはん」(66年度)でヒロインを務めた樫山文枝さんと共演しました。
 「周りのスタッフさんが『朝ドラヒロインが2人いる』っておしゃっているのを聞いて、大先輩と並んでお芝居しているのは、身に余る光栄でした」
 「樫山さん(演じる小野寺千草)が、雲仙普賢岳の噴火が起こって、いろいろな思いを秘めながらも、かんざらしの作り方を教えてくれるシーンがありました。せりふを話されているのを見て、噴火後も、そこで生きていた、そんな苦しみを感じました。せりふをしゃべる時に、いろんな仕草を試しながら演技の流れを試行錯誤(さくご)している姿を見せていただいて、女優っていうのは、まだ登らなければ行けない階段があると思いました」と貫地谷さん。
 「ご一緒できた経験は、大切な時間になりました」と充実感があふれます。

○腑に落ちた女性役

 名店の「かんざらし」の秘密を知る小野寺千草役を演じた樫山文枝さん。今回の作品や、女優を続ける思いを聞きました。
 1991年の雲仙普賢岳大噴火のニュースが「衝撃的で、今も印象に残っています。数年後に舞台公演で島原に参りまして、普賢岳を見ました。山肌が崩れ落ちていて、身を賭(と)して救援活動をしていた人がいたんだと胸が痛みました」
 主人公・瑞樹役の貫地谷しほりさんについて、「サバサバとして気概がある人でした。全体を引っ張っている感じでした」と目を細めます。
 大噴火した普賢岳にまつわるドラマの核となるシーン。「『あれから27年』というせりふがあります。瑞樹さんと普通に話していて、心にしまっていたことを彼女にさらけ出す瞬間を、(平常心と)並列にして演じてはいけないと思いました。被災の記憶を伝えていくことは大事です。島原の民家が撮影現場でしたので、お仏壇はどこにあるのかとか、全体の雰囲気を見て思いを巡らして演じました」
 台本を読み、すぐに「そこに生きている女性役は、とても腑(ふ)に落ちて、やらせていただこうと思いました」
 舞台「アンネの日記」のアンネ役でデビューし、芸歴は55年。2月は、ドラマ「京都タクシードライバーの事件簿」(TBS系 4日)に出演。事件の鍵を握る作詞家役です。さらに明治を生きた若い女性の成長と自立を描いた舞台「正造の石」で、婦人解放運動家の福田英子役を務めます。
 「作品ごとに新しい出会いがあるので演じ続けています。『正造の石』は、福田さんのことを調べたり、本を読んだり、勉強できることがうれしい。この人物をやりたいと思って、作品に貢献しようと取り組んでいます」
 ◇
 舞台「正造の石」は、2月14~25日、新宿・紀伊国屋サザンシアター。問い合わせ=「劇団民藝」℡044―987―7711(月~土 午前10時~午後6時)
(1月21日付)


 

1


pageup