テレビ

~12月のテレビラジオ面~

☆紅白初出場! 歌手・市川由紀乃さんに聞きました

☆〝NHK再出発〟70年~元放送委員・市吉澄枝さんの回想

☆BS新春時代劇「大岡越前」 新旧越前が白州で対決


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□紅白初出場! 歌手・市川由紀乃さんに聞きました(26日付)

 「紅白歌合戦」の初出場者の中で、ただ一人の演歌歌手・市川由紀乃さん。17歳でデビューしたものの、一時は活動を休止。40歳で紅白切符をつかむまでの深い悩みと葛藤を、じっくり聞きました。(紙面を見る

□〝NHK再出発〟70年~元放送委員・市吉澄枝さんの回想(1日、3日付)

 NHKが敗戦から再出発しようとした70年前、十数人の放送委員が民主的に会長を選んでいました。その一人が、今年5月に93歳で亡くなった市吉澄枝さん。市吉さんの足跡から、現在のNHKや会長選出のあり方を考えます。(記事を読む

□BS新春時代劇「大岡越前」 新旧越前が白州で対決(19日付)

 NHKBS新春時代劇「大岡越前」(1月3日放送)で、夢の対決が実現します。江戸南町奉行・大岡忠相(ただすけ)を演じるのは東山紀之さん。対して、30年の〝越前キャリア〟を持つ加藤剛さんが、ゲストの浪人役でお白州に座って…。(記事を読む

●「世田谷事件」遺族・入江杏さん 「報道被害」とのたたかい(5日付)

 2000年12月に起きた「世田谷一家殺害事件」を扱ったテレビ朝日の番組に対し、BPOが「重大な倫理違反があった」と勧告しました。悲しみを乗り越え「報道被害」とたたかう遺族・入江杏さんの思いとともに、番組の手法を検証します。(紙面を見る

●放送 この1年

 放送界で起きた重大な出来事を、「NHK」「停波発言」「圧力に抵抗」「ネット同時配信」「市民・視聴者」のキーワードからひもときます。第1回「NHK」(14日付)は、次期会長選任をめぐり、籾井氏再選を阻んだ世論に焦点を当てます。(記事を読む

●NHK「将棋フォーカス」~赤旗主催「新人王戦」を特集(15日付)

 12月4日放送の「将棋フォーカス」(NHKEテレ)で「第47期新人王戦」が特集されました。羽生善治三冠ら名だたる棋士が獲得してきた新人王戦は、「しんぶん赤旗」の主催。これからもぜひ、若手棋士たちの熱戦をご注目ください。(紙面を見る

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 12月の「休憩室」(毎週土曜日掲載)

 ☆本仮屋ユイカさんは「検事の本懐」(朝日系、3日放送)で検察事務官役を好演。「思っていた以上にアナログな作業で真実にたどり着くんですね」

 ☆ハイヒールで登場した三田佳子さんの心配事は「おばあちゃん役なのにきれいすぎる」こと? 「忠臣蔵の恋」(NHK)で演じる仙桂尼は「息を詰めて」演じたと言います。

 ☆徹底して役作りにこだわる滝藤賢一さん。三重発地域ドラマ「ラジカセ」(NHK、21日放送)では、共演した12歳の少年に対しても「ライバルですから」。

 ☆瀬戸朝香さんは2年ぶりに本格的な女優へ復帰しました。主演の「女の中にいる他人」(NHKBSプレミアム、1月8日から放送)は、「演じて楽しい」と充実の笑顔。

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

 毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」など内容も多彩。一流執筆陣によるコラム「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。毎月1回、気鋭の若手ライター・武田砂鉄さんの「いかがなものか!」、演出の巨匠・鶴橋康夫さんの「ドラマの種」、テレビ評論の重鎮・松尾羊一さんの「ドラマのドラマ」と、読み応えのあるコラムも満載。地方局の名物番組を出演者やスタッフが愛を込めて紹介する「テレビ(ラジオ)の力」も随時掲載しています。

 7月から脚本家・足立紳さんの連載コラム「七転びな日々」がスタートしました。足立さんは「佐知とマユ」(2013年)で創作テレビドラマ大賞、映画「百円の恋」(15年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。注目される以前の自身の生活や「テレビ」との付き合いを、ちょっとゆるめのユーモアを込めて描きます。お楽しみに。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 石井彰(放送作家)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克己(広島マスコミ9条の会)、桧山珠美(テレビコラムニスト)、藤久ミネ(評論家)

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、「NHK会長の発言はおかしいぞ」などの放送問題への意見も大歓迎です。200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

 【はがき・手紙の場合
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

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※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎NHK会長選出、70年前は/元放送委員市吉澄枝さん(故人)の回想/上/国民主体の委員会、始動

22歳、宮本百合子と一緒に

 NHK経営委員会による次期会長選任が大詰めを迎えています。公共放送NHKが、敗戦の教訓をふまえて再出発した70年前の1946年に立ち戻ってみましょう。当時、各界から選ばれた十数人が委員となって、民主的なシステムでNHK会長を選んでいました。

 委員のうちの一人は最近までお元気でした。今年5月に93歳で亡くなった市吉澄枝さんです。東京で長く税理士の仕事を続け、税理士九条の会発起人などを務めました。
 市吉さんの自分史『まなび 愛 ひたむきに』(2015年、生活思想社)をひもといてみます。
 少女時代、兄の影響もあって社会科学に関心を持ち、友人と読書会を開くなど活発に過ごしました。終戦の年の1月、突然、特高警察に「治安維持法違反」で逮捕され、読書会のことなどを調べられました。
 8月の終戦でようやく釈放され、神奈川の実家に。釈放された共産党員らが東京・国分寺に住んでいて、そこに手伝いに行っていたこともあって入党、宮本百合子(日本共産党員作家)ともここで知り合いました。
 秋から党本部の婦人部に勤務します。実家にまだ入党を知らせてなかったので、宮本百合子に相談して「槇ゆう」というペンネームで活動しました。

政府主導ではなく

 党を代表する形で、46年1月の「各党の婦人政策を聞く」など、NHKラジオの討論に3度出演しています。
 連合国軍総司令部(GHQ)の対日政策は各方面に及びました。放送分野では45年12月、NHK(1926年設立)の民主化をめざし、次のように提起しました。「世論を表現すべき重要な機関である放送の管理運営」について、「すべての面で公共機関として確立するために委員会を作る」という内容です。政府主導でない国民主体の委員会構想でした。

青年分野の代表で

 委員会の構成についても、広く国民に目を向け、「社会の各分野を代表する民間人を」と当時の逓信院を指導しました。
 こうして46年1月、17人の顧問委員会(のちの放送委員会)がスタート。滝川幸辰(京都帝大法学部長)、宮本百合子、荒畑寒村(評論家)らの著名人とともに、青年分野の代表として瓜生忠夫(青年文化会議)、槇ゆう(日本共産党婦人部員=市吉)の2人が入りました。市吉さんは22歳でした。
 のちに市吉さんは自身の委員就任について、NHK関係者に「(宮本)百合子さんが推薦なさったんだろう」と語っています(1986年の「聞き書き」)。
 市吉さんはこの委員会の位置づけについて「NHK会長候補の選出、NHK再組織案の作成、放送基本方針の立案」とまとめています。さらに「政府言いなりの放送を国民のものにするための重要な任務を持った委員会」と積極的にとらえていました(『まなび 愛 ひたむきに』)。
 (小寺松雄)
(12月1日付)

◎NHK会長選出、70年前は/元放送委員市吉澄枝さん(故人)の回想/下/候補者あげ議論尽くして選ぶ

再出発した公共放送の中で

 1946年1月にスタートした顧問委員会(その後の放送委員会)は、新生NHKの会長選任という大仕事にとりかかりました。委員各人が計40人ほどの候補を出し、投票で最終的には3人にしぼりました。3月の総会(このときから放送委員会に改称)で、経済学者・高野岩三郎を会長に選びました。
 86年の「聞き書き」によると、宮本百合子や市吉さんは、3人のうち「高野さん(を推そう)と私たちは決めていた」。
 市吉さんは戦中・戦後の無理がたたって体をこわし、47年に入ると療養生活を送りました。委員会については「2回か3回ぐらいしか、出てないんじゃないか」(「聞き書き」)と残念さをにじませています。NHKによると46年半ばの放送委員は15人ですが、槇(市吉)さんはすでに退任しています。

放送委員会の業績

 放送委員会の業績について、放送研究者の松田浩氏は著書『NHK(新版)』(2014年、岩波新書)で次のようにのべています。「放送基本原則草案」(46年9月)、「放送委員会規約」(47年10月)、「放送法案要綱」など数々の立案提言をNHK、逓信省、GHQに対して行った―。
 さらに松田氏はこう記しています。「しかし、これらは、NHK上層部などから、ほとんど無視に近い扱いを受けた。彼らは、米占領政策の変化の風向きを敏感に感じ取っていた」「一九四九年四月の高野岩三郎会長の死を境にして同年五月、解散を決め幕を閉じている」
 市吉さんは46年に結婚、50年代から税理士の勉強を始め、66年に税理士登録をしました。68年に公認会計士をしていた夫・庸浩さんが急病死。その後、税理士活動や子育ての中で、東京税理士新人会の会長を務めました。「平和を守る税理士の会」「税理士九条の会」などにも参加しました。
 2010年に開かれた「税理士九条の会」後の懇談の場で、弾圧の体験とともに放送委員の経験を少し話しました。それがきっかけで同年8月、放送関係者が市吉さんに当時のことを聞く集いを開いています。

学び行動につなぐ

 市吉さんの終戦翌年の経験は、短期間ではありましたが貴重なものでした。国民すべての放送局として再出発した70年前のNHK。現在のNHKはそこからどんな教訓をくみとっているのでしょうか。議論を尽くして、会長にふさわしい人を民主的に選ぶことの大切さが改めて浮かび上がってきます。
 ◇
 長男・伸行さんは、市吉さん著『学び 愛 ひたむきに』のあと書きで、こう母を語っています。「社会に目覚め、それが原動力になって学び、そして行動につながっていきました」「年長の方から可愛(かわい)がられ、同志と共に活動し、年少の方から慕われ、幸せな人生だったと思います」
 (おわり)
 *市吉さんは今年5月、93歳で死去。
(12月3日付)


◎新旧大岡越前が白州で対決/NHKBS新春時代劇「大岡越前」

 東山紀之主演の、NHKのBS新春時代劇「大岡越前スペシャル」が、1月3日(後7・0)に放送されます。ゲストは民放ドラマで30年にわたり越前を演じてきた加藤剛。浪人にふんします。白州の場面で〝新旧の越前〟が対決するのが見ものです。

東山紀之〝胸を借りようと〟/加藤剛〝うれしくなった〟

 東山は、2013年から3シリーズ続けて、江戸南町奉行・大岡忠相(ただすけ)を演じてきました。〝加藤越前〟を見て育った世代です。
 「加藤さんならこうするだろう、こんな顔をするだろうと思いながら演じました。今回、加藤さんに出ていただけるのは、そのごほうびをいただいたのかな」

「精神受け継ぐ」

 収録は京都撮影所で。東山が中学校の修学旅行でここを訪れた当時、「大岡越前」を撮影中でした。セットの前で忠相のポーズをとったといいます。
 「私の中では越前=加藤さんです。まさか自分が大岡越前になって加藤さんを裁く日がくるなんて」と感慨深げです。「今回、里見浩太朗さんたち先輩方が見学に集まってこられて、だんだん緊張してきました。加藤さんのりんとしたものを、自分も少しずつ積み上げて、精神をうけつぐことができたらいいと、思い切って胸を借りようと思いました」
 加藤は、お家騒動から人をあやめて、追われる役柄。「白州に座って裁かれるのは初めての経験です」と、新鮮な気持ちで臨めたといいます。
 「見上げた時に、大岡越前はこういうふうに見えるのか。ここに座らせられたら、本当のことを言わなければならない気分になるのだろうなと実感します」
 「剣の達人という設定なので、立ち回りは大変でしたが、まだできるんだぞ!」と、意気盛んな様子でした。
 〝後輩〟の東山には、「正義感がある、あたたかい心の大岡を演じているのを見てうれしかった」。
 78歳の加藤の登場に出演者からは、次のような思いが語られました。
 忠相の母親・妙役の松原智恵子は、「人情裁きの時代劇はいつ見ても心あたたまります。私も剛さんのように、いつまでも時代劇ができる女優でありたいので、剛さん、がんばってこれからもお仕事お願いします」。
 忠相の妻・雪絵役のミムラは、「私も時代劇好きで新旧の大岡がそろうのを見ると、おおーっという感じ。立ち回りも多くて正月らしい。日本人のDNAが騒ぎます」。
 忠相の部下の同心・片瀬堅太郎役の加藤頼は加藤の次男。自分の父親のことなのでと照れながら、「劇団の先輩でもある父と、京都の撮影所の父は印象が違って、いまさらながら、時代劇スターなのだなと感じました」。

制作者も胸熱く

 今作は民放の「大岡越前」以来、長らく脚本を手がけて、1月に亡くなった大西信行の最後の作品。スタッフの思いもひとしおです。演出の矢田清巳は、「犯した罪の白い黒いを裁くのではなく、善悪を超えた向こう側にある人間の心や情念に焦点が絞られた作品です」。制作統括の白石統一郎(CAL)は、「りりしい東山越前と気骨の浪人・加藤剛が同時に映っているシーンに胸が熱くなります」。

あらすじ〉冬枯れの土手下で惨殺死体が発見されます。羽州(出羽)雁ケ沢の家中・高畑六助でした。見物人の中に浪人・風間五郎左衛門(加藤)の姿がありました。犯人は同じ家中だった雨宮治三郎(八嶋智人)らしい。五郎左衛門は、23年前のお家騒動で、治三郎の父を斬っていました。お家の複雑な事情を感じる忠相(東山)。ある日「高畑を斬ったのは私だ」と五郎左衛門が現れます。
 出演は忠相の父に津川雅彦、風間の妻に星由里子、徳川吉宗に平岳大ほか。
(12月19日付)


◎放送この1年/NHK/籾井氏の再選阻んだ世論/受信料・ネット配信・政府寄り報道…課題山積

 12日の本紙「読者の広場」にこんな投書が載りました。「あの悪名高きNHKの籾井会長がひきずりおろされました。ひきずりおろしたのは世論の力です」。6日のNHK経営委員会が、次期会長に籾井氏を選ばなかったことをずばり言い表しています。
 2014年1月、籾井氏の就任会見での「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」という発言は、あまりにも有名になりました。それ以後も籾井氏は、放送法と公共放送の理念をおよそわきまえない言動を繰り返しました。経営委員会から注意を3回受け、社会的にも「罷免・辞任を」との声が高まりました。

良識の勝利

 『NHK 新版』(岩波新書)などの著作がある放送研究者の松田浩氏は言います。「籾井再任阻止は、国民・視聴者の良識の素晴らしい勝利だ。ただ、公募・推薦制の導入など、広く候補を募るという点ではまったく不十分だった」
 新会長に就任する上田良一・現経営委員は今年5月、北海道函館での「経営委員と語る会」で、「受信料義務化」について、「国の力で徴収することになり、国の影響が及んでくる懸念」と発言しています。また「放送が国家権力に追随するような形は、必ずしも望ましくない」と、権力の関与に抑制的な発言をしています。
 ただ、この1年のNHK番組を見れば、「政府寄り・翼賛報道」の傾向はいっそう顕著になりました。
 今年の参院選報道は、民間調査会社によると全体として3年前から3割も減ったという結果が出ています。安倍政権のメディア抑圧強化の中で、テレビ局の萎縮がさらに強まっています。放送関係者と市民でつくる「放送を語る会」が8月に発表した参院選報道モニター調査では、NHKが特に顕著です。

目隠し選挙

 アナウンサーのコメントでも、選挙の争点を「アベノミクス」に絞り込み、政権側の見解と一致させました。夜の報道の中心である「ニュース7」は選挙期間18日のうち、半分の9日間は「選挙報道なし」という驚くべき状況でした。視聴者に選挙の実態を知らせないという「目隠し選挙」の先頭をNHKが切っていたことになります。それがまた「安倍政権延命」に一役買っているという構図になっています。
 一方、「戦争・平和」「原発」などのドキュメンタリー分野では、伝統ともいえる重厚な番組作りは健在でした。原発問題では、11月6日の「NHKスペシャル~廃炉への道・調査報告 膨らむコスト」については、「独自試算」で「国の『甘い見通し』を告発」(朝日新聞)と評価されました。
 いま、NHKの番組をインターネットで同時配信する計画も検討されています。受信料制度にも影響を及ぼします。NHKは、新会長のもとで山積する諸課題に直面することになります。国民の関心も高まるだけに、さらに議論を深める必要があります。
 (寺)
(12月14日付)

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