テレビ

~2月のテレビラジオ面~

☆民放労連が臨時大会~人間らしい働き方を、東京MXに抗議

☆吉岡忍さん、塩田純さんが語る「戦争の検証とメディア」

☆テレビの選挙報道に「喝!」~BPOが意見書公表

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□民放労連が臨時大会~人間らしい働き方を、東京MXに抗議(16、18日付)

 日本民間放送労働組合連合会が開いた第124回臨時大会の模様をリポートします。「電通過労自殺事件」が起こるなか、放送の未来のために「人間らしい働き方とくらし」を提起。東京MXテレビ「ニュース女子」は倫理違反だとした決議が採択されました。(記事を読む

□吉岡忍さん、塩田純さんが語る「戦争の検証とメディア」(20日付)

 南京大虐殺の実態に迫ったNHKスペシャル「日中戦争~なぜ戦争は拡大したのか」(2006年)を上映するイベントが、東京「座高円寺」で開かれました。番組プロデューサー・塩田純さんと作家・吉岡忍さんによる白熱のトークライブを届けます。(紙面を見る

□テレビの選挙報道に「喝!」~BPOが意見書公表(27日付)

 テレビの選挙報道にBPO(放送倫理・番組向上機構)が「挑戦的な番組」を求める異例の意見書を出しました。放送時間が減り、テーマも画一化する背景は何か…。市民団体のモニター調査結果を交えながら、BPOの意見書を読み解きます。(紙面を見る

●放送展望 醍醐聡さんが語る「NHK新会長就任にあたって」(1日付)

NHK会長に上田良一氏が就任しました。NHK問題を考える市民運動に取り組んできた醍醐聡さんは、上田氏の「公共放送として譲れないのは自主・自律を貫くこと」という発言に注目。視聴者と信頼関係が結ばれる好循環が生まれることを求めます。(記事を読む

●東京と大阪が舞台のNHK「地域発ドラマ」2本(6日付)

 ふるさとに根差した物語を紡いできたNHK「地域発ドラマ」。今回の舞台は東京・足立区の「千住クレイジーボーイズ」(2月15日放送)と、大阪・西成区の「アオゾラカット」(3月15日放送)。都会といえども人情味あふれる場所で、どんな人間模様が繰り広げられるのでしょうか。(記事を読む

●記者座談会 冬のドラマのみどころは?(9、11日付)

いよいよ佳境に入った民放各局の冬のドラマの見どころを、本紙記者がちょっと辛口で紹介します。奥深い会話劇が魅力の「カルテット」(TBS系)に高評価。「嘘の戦争」(フジ系)や「就活家族」(朝日系)、「東京タラレバ娘」(日本系)は…。(記事を読む

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 1月の「休憩室」

 ☆「二刀流」で大活躍したプロ野球・北海道日本ハムファイターズの大谷翔平さんは、テレビ朝日スポーツ放送大賞を受賞。連覇に向けた意気込みを語ります。
 
  ☆金髪が映える塚本高史さんは、NHKBSプレミアム「千住クレイジーボーイズ」でどん底の芸人を熱演。「人と同じことをしたくない」と語る34歳の素顔は…。

  ☆小松奈々さんは、クールに見えてもずけずけモノ申す不思議な存在とか。NHKテレビ「スリル!~赤の章」で演じる警視庁庶務係・瞳役も、〝変顔〟ではじけます。

  ☆岐洲匠さんは、朝日系「宇宙戦隊 キュウレンジャー」の〝シシレッド・ラッキー〟役で活躍中。美容師免許を取得直後にヒーローの座を射止めた強運の持ち主です。

●好評・「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

ジャーナリストや作家、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

 毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」など内容も多彩。一流執筆陣によるコラム「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。毎月1回、気鋭の若手ライター・武田砂鉄さんの「いかがなものか!」、演出の巨匠・鶴橋康夫さんの「ドラマの種」、テレビ評論の重鎮・松尾羊一さんの「ドラマのドラマ」、脚本家や映画監督として羽ばたく足立紳さんの「七転びな日々」と、読みごたえたっぷりのコラムを、どうぞ!

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 石井彰(放送作家)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)、桧山珠美(テレビコラムニスト)、藤久ミネ(評論家)

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。
◇新たに投稿募集~「私のイチオシ番組」
 心に残った番組はありませんか? ドラマ・ドキュメンタリーを問わず、〝私のこの一本〟といえる、おすすめの番組を、その理由や思い出とともにお寄せください。

「みんなのアンテナ」「私のイチオシ番組」は、ともに200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

 【はがき・手紙の場合
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎民放労連臨時大会/上/人間らしい働き方を/放送の未来のために長時間労働是正急げ

 日本民間放送労働組合連合会(民放労連)はこのほど、東京都内で春闘方針を決める第124回臨時大会を開きました。スローガンは「放送の未来のために取り戻す、人間らしい働き方とくらし!」です。

 赤塚オホロ委員長は開会あいさつで、「停戦状態が維持されているとは言えない南スーダンから自衛隊は一日も早く撤退すべきだ。安保法制廃止運動に全力で取り組もう」と訴えました。働き方について、「電通過労自殺事件が起き、長時間労働の改善は、もはや待ったなしの状況だ。非正規、正規の格差が大きすぎる日本において、同一労働同一賃金の実現にも取り組みたい」とのべ、活発な討論を呼びかけました。
 春闘方針案を齋田公生書記長が提案。給与所得は過去10年で年間17万円減少し、「多少のベースアップや定期昇給だけでは、可処分所得の減少を補いきれない。一方、企業の内部留保総額は、大企業だけでも100兆円以上増えている。民放業界の将来を考えれば、人材確保と仕事の継承を図るために賃上げが必要なことは明白だ」と指摘しました。
 そして、月例賃金の「2万円以上の引き上げ」、「企業内最低賃金」の協定化などの、人間らしい働き方の実現を訴えました。
 討論では、テレビ朝日労組から「電通の悲しい事件がある中で、長時間労働の是正は世の中の機運となっている。特別休暇や連休を会社に要求して実現。『在宅勤務』のテスト運用が始まった」。朝日放送労組は「心と体を守る要求書を新たに作り、会社に示した。会社は『労使ともに考えていきましょう』と前向きな回答だった」と語りました。

従業員が不足

 ある調査では、「従業員が不足している」と回答した企業が最も多かった業種は「放送」という結果が示されました。「会社が金を出せば残業は減らせる。人を増やしたくても単価が安いから人が来ない。業界全体に人が来なくなっている」(読売テレビ労組)。「労使協議会で、働き方にかんする議論を始めた。人員の問題も会社と議論する必要がある」(関西テレビ労組)など、長時間労働改善に対する発言が相次ぎました。
 放送局には正社員ではなく、派遣、フリーなどのスタッフが大勢います。これらすべての労働者の要求実現と組織化についても発言がありました。
 組合員の直接雇用を2日前に勝ち取った京都放送労組。「京都労働局の『労働者派遣法違反なし』から、『派遣法違反』との逆転認定を勝ち取った。さらなる運動と世論で直接雇用と無期転換の回答を引き出すまでたたかう」と発言がありました。

社員化めざす

 琉球放送の100%出資会社、RBCビジョン労組の契約社員の社員化のたたかいでは「正社員登用試験が一部の人しか受けられなかったが、改善させ、全員が試験を受ける権利を得た。昨年、民放労連に加盟し、その支援もあってのこと」と報告がありました。
 「一昨年、組合を立ち上げたばかりで正直、分からないことだらけ」と話す琉球トラスト労組からは「給与査定の不透明な『評価制度』について追及すると、改善するために新人事制度を逆提案されたが、導入には反対していく」と報告がありました。
 決議で「安倍政権は労働時間規制をはずし、残業代をゼロにする労働基準法改悪案を取り下げていない」と指摘。「真の『働き方改革』を実現し、労働法制の抜本改正を求める」ことを代議員で確認しました。
(2月16日付)

◎民放労連臨時大会/下/表現の自由掲げて/東京MXに抗議/「共謀罪」許さない

 民放労連臨時大会では、齋田公生書記長が、放送の役割にふれて「平和と言論・表現の自由を守り、職場とくらしに憲法を生かそう」と、取り組みの強化を呼びかけました。
 討論では東京MXテレビの「ニュース女子」問題が語られました。沖縄県高江の米軍オスプレイパッド建設反対の運動をする人たちを「金で雇われている」などと事実関係を確認することなく一方的に放送したものです。
 関東地連の渡辺豊委員長が、沖縄地連の嘉手納央揮委員長と連名で「放送倫理上大きな懸念がある」と東京MXテレビに質問状を出したことを報告しました。
 嘉手納・沖縄地連委員長は「事実に基づかないヘイト(中傷)はネット上にとどまっていたが、今回、地上波のMXで放送されたことに対し、沖縄では危機感を持ち、怒りを感じている。報道機関の使命が問われている」と発言。沖縄地連として「日米両政府による沖縄に対する弾圧を許さない決議」を提案しました。この中で、沖縄防衛局が県内報道各社に臨時制限区域内を立ち入り禁止としたことは「取材活動の萎縮を狙い、表現の自由を大きく損ねる弾圧である」と批判するとともに、「ニュース女子」は「放送倫理規定に違反する」と厳しく指摘しました。この決議も大会で採択されました。
 平和や民主主義の課題について、京都放送労組が発言。戦争法反対デモ、沖縄県民への連帯と支援などの取り組みを報告し、「思想や信条・内心の自由を脅かす『共謀罪』の学習会を3月に開いていく」と語りました。
 長崎ビジョン労組は「長崎原爆の日に合わせた催しの開催や、OBの人たちと一緒に市民に呼びかけて、言論の自由と知る権利を守る市民の会をつくり活動している」と紹介。
 大会は高市総務相の「電波停止」発言を批判する「視聴者の立場から放送・表現の自由を守り抜く決議」、「共謀罪」の成立阻止も含めた「憲法『改正』に反対し、立憲主義と平和を守る決議」などの決議やアピールを採択しました。
(2月18日付)


◎放送展望/NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表 醍醐聰/NHKは自主・自律貫いて/上田良一新会長就任にあたって

 NHKは上田良一新会長のもとで新たなスタートを切りました。NHK問題を考える市民運動に取り組んできた醍醐聰さんに今、公共放送として何が求められるかについて寄稿してもらいました。

 1月25日、NHK会長に就任した上田良一氏が初の記者会見に臨んだ。全体として慎重な言い回しが目立ったが、節々で上田氏の見識をうかがわせる発言があった。たとえば、NHKは政権の意向を忖度して番組を作っているとの指摘もあるが、今後、政権とどう向き合っていくのかと問われたのに対し、上田氏は、「公共放送として譲れないのは、自主・自律、公平・公正の立場を貫くこと。これは環境がいかに変化しても譲れない。政治との距離についても事実に基づき、できるだけ多くの角度から丁寧に伝えたい」と答えた。

見識を注視

 「環境がいかに変化しても譲れない」というくだりは会長就任にあたっての上田氏の並々ならぬ決意と受け止めたい。これと関連して、罰則付きの受信料の義務化についての考えを問われた上田氏は、「罰則を設けるとなると、国の影響が及ぶことになる。公共放送としての自主・自律、公平・公正、不偏不党に基づく立場からすると、そのあたりは懸念がある」と語った。経営委員当時から明言していた上田氏の持論であるが、このようなまっとうな見解が今後、具体的な場面でどう貫かれるのか、注視したい。
 「多くの角度から伝えたい」という発言は、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするよう定めた放送法第4条第1項4号の要請を念頭に置いたものと思われる。籾井前会長は一度もこの条項に触れることがなかったが、昨今の報道番組に求められるもっとも重要な要請の一つである。

変える勇気

 会見の中で上田氏はキリスト教者の格言となってきた「変えられないものを受け止める冷静さ、変えるべきものを変える勇気」を説いた。今のNHKの会長以下、全役職員に求められるのは「政府にとっては不都合でも国民にとっては重要な事実」を伝える勇気である。
 充実した調査・取材にもとづく報道番組、豊かな教養・文化を育む良質の番組を提供することをNHKに期待したい。それによって民主主義の発達に貢献することが公共メディアの使命である。そうしたNHKの姿が可視化されれば、すすんで受信料を納める視聴者が増えるはずだ。また、NHKに対する政治介入があった場合は、多くの視聴者がそれをはね返す行動に立ち上がるだろう。そのような信頼関係で結ばれた好循環が上田会長時代に生まれることを願ってやまない。
 (だいご・さとし)
(2月1日付)


◎NHK地域発ドラマ/「千住クレイジーボーイズ」東京・足立区/「アオゾラカット」大阪・西成区

 日本各地のふるさとに根差した物語を発信してきたNHKの地域発ドラマシリーズ。2、3月に放送されるのは、大都会・東京と大阪が舞台です。といっても、それぞれ足立区、西成区という人情味厚い地域。どんな人間模様が繰り広げられるのでしょうか。(田村三香子)

「千住クレイジーボーイズ」/東京・足立区/BSプレミアム15日放送/古き良き人情、コミカルに

 東京で制作されたのは、15日(後10・0)にBSプレミアムで放送の「足立区発ドラマ 千住クレイジーボーイズ」。古い街並みと新興マンションが同居する足立区北千住でのオールロケでした。
 主人公・恵吾(塚本高史)は、売れっ子から一転、いまはがけっぷちのお笑い芸人です。心ならずも北千住に住む元相方・行(ゆき=小池徹平)の家に転がり込み、反発しながら進むべき道を探っていくヒューマンコメディー。かつかつの生活を送るシングルマザー・のばら(比嘉愛未)、恵吾が働くことになる銭湯のあるじ・龍二(品川徹)、商店街の理髪店店主・巧馬(北村有起哉)らが、かたくなな恵吾にからみます。
 約500人の地元エキストラが、クライマックスシーンを盛り上げました。「非常に温かい雰囲気のなかで撮影が行われました」とは、制作統括の勝田夏子プロデューサー。塚本さんは「スピード感があるなかに、古き良き義理人情、千住の良さが描かれていると思います」と話します。
 首都圏放送センターに所属する板橋俊輔ディレクターが演出にあたりました。ふだんはニュース・ドキュメンタリーを送り出している板橋さんは、ドラマを作るのは初めて。脚本の高羽(たかは)彩さんらと取材を重ねました。「千住の魅力は人なんですね。力強く魅力にあふれた人にたくさん出会い、そのエッセンスをぎゅっと詰めました」と板橋さんは話します。

「アオゾラカット」/大阪・西成区/BSプレミアム3月15日放送/父子の葛藤を涙と笑いで

 大阪放送局が制作するのは、「大阪発地域ドラマ アオゾラカット」。BSプレミアムで3月15日(後10・0)に放送されます。
 舞台となる大阪市西成区は日雇い労働者の街として知られた釜ケ崎地域を抱えています。現在は、安い宿泊施設を求めて外国人観光客が殺到している土地柄。制作統括の谷口卓敬プロデューサーは「大阪のいまをビビッド(鮮やか)に描き出すヒューマンドラマです。笑えてほろっとする上質のエンターテインメントとして作ります」。
 主人公は西成区で生まれ育った美容師・翔太(林遣都)、24歳。パリで母の訃報に接し、帰郷します。父・吾郎(吉田鋼太郎)は地元で美容室を営んでいました。母を大切にしなかった父に反発する翔太。父とぶつかり合うなか、吾郎が指の骨を折ったことから翔太は店を手伝うことになります。店員の遙(川栄李奈)に助けられて西成の人々と心を通わせはじめたころ、翔太は店の経営が火の車だと知ります。
 脚本は、映画「超高速! 参勤交代」を手掛けた土橋章宏さん、演出はNHK大阪制作部の尾崎裕和ディレクターが担当しました。
 主演の林さんは、大阪放送局制作の連続テレビ小説「べっぴんさん」にも出演していて、「大好きな大阪で撮影する幸せをかみしめています」。川栄さんは「子役ががつがつ話しかけてくる好奇心旺盛な子ばかりで、大阪に住みたい」と笑います。

地域発ドラマ NHKで不定期に放送される地方放送局制作のドラマ。2012年以降、初回がBSプレミアムで放送されたものは「アオゾラカット」までで35本です。26の都道府県が舞台になっています。
(2月6日付)


◎冬の民放ドラマ  記者座談会/上/鬼気迫る演技/見事な会話劇

 民放各局の冬ドラマが中盤を迎えました。見どころを記者が話し合いました。

  一同面白いと口をそろえたのは、「カルテット」(TBS系)。偶然出会った弦楽奏者4人がカルテット(四重奏)を結成し、ひと冬の共同生活を送る話。それぞれの秘密が絡み、先が読めない展開だ。
  坂元裕二脚本のおとなの良質なドラマ。何気ないせりふが伏線になっていたり、会話劇が見事。人間の中にある多面性も深く掘り下げている。
  音楽の夢をあきらめられない自分たちを寓話「アリとキリギリス」に例えたせりふには、心をえぐられた。
  演技派の松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生をよくぞ、そろえてくれたといいたい。エンディング曲は椎名林檎作。完成度がゾクゾクするよ。
  草彅剛が主演の「嘘の戦争」(フジ系)は、幼いころに家族を殺された天才詐欺師が、事件を隠蔽(いんぺい)した関係者に復讐(ふくしゅう)していく。
  草彅の少しすさんだ鬼気迫る演技に圧倒された。他の俳優では成立しない話。役者の求心力を感じる。
  初回2時間放送には反対だけど、嘘をキーワードにスピード感ある展開で苦にならなかった。どう決着を見せるのか楽しみだ。

初めての医者役

  木村拓哉が外科医役の「A LIFE」(TBS系)は?
  手術シーンなど初めての医者役をよく演じていると思う。キャストも豪華。第3話から医療ドラマの骨格がしっかりしてきて話も面白くなってきた。
  キムタクは何を演じてもキムタクの殻を破れていないという印象。脇役の演技が主役を引き立たせるために感じて残念。松山ケンイチが主演だったら、違った印象のドラマになるのでは!?
  「就活家族」(朝日系)は、日常がふとしたことで狂い始め、家族全員が就職活動をするはめに。「中間階級からの転落」など社会問題を取り上げつつ、働くとは何か、家族とは、を問うドラマだ。
 C 家族が追い詰められていく姿が見ていてしんどい。何度テレビを消そうと思ったことか。「きっと、うまくいく」の副題通りになってほしい。

せりふが刺さる

  「大貧乏」(フジ系)も日常のささいな失敗と会社の倒産が重なったことで、生活苦に追い込まれるシングルマザーを描いている。
  自分たちの生活の安定だけを考えていた主人公が、一番大切な家族の生活を奪った会社の不正を暴くため、社会の理不尽に立ち向かうように変わっていく姿に共感。コメディータッチで見ていてつらくならないのがいい。もっと視聴率があってもいいと思うよ。
  30歳独身女性が恋に仕事に悪戦苦闘する「東京タラレバ娘」(日本系)はどうかな。「30代はもう女の子じゃない」などのせりふがグサグサ刺さり、共感するけど。
  ただ、原作では主人公たちは33歳の設定なのにドラマでは30歳。美人な女優さんばかりで、リアルな崖っぷちの追い詰められ感が足りない気がする。
 A 中卒の父が偏差値41の娘と中学受験に挑む「下剋上受験」(TBS系)は?
  「世の中は学歴が全て」「中卒では将来に限界がある」という面も確かにあるけど、そればかり言い過ぎている気がして…。勉強を教えるために父親が仕事を辞めてしまうのもどうかと思うよ。
  互いを思いやるほんわか家族の明るさはいいと思う。
(2月9日付)

◎冬の民放ドラマ  記者座談会/下/「おじさん」活躍

 A 今期は「おじさん」が活躍するドラマが目立つね。

時世取り込んで

  「三匹のおっさん3」(東京系)は、かつての悪ガキ3人組が町内の悪をバッタバッタと斬りまくる勧善懲悪もの。「3」は原作者の有川浩監修の下、4人の脚本家が、民泊詐欺やシニア劇団などうまく時世を取り込んで奮闘している。
 C 骨が光って見える感電技は昭和感が漂って何度見ても笑ってしまう。長寿時代劇のようになってほしい。
 A 「スーパーサラリーマン左江内氏」(日本系)は、藤子・F・不二雄の漫画をドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一監督がドラマ化。堤真一が演じるさえない中年サラリーマンが突然、無理やりヒーローを引き継ぐことに。小泉今日子が演じる恐妻の「世界の前に、家庭を救ってもらっていいすかね~」はうなずける。
  面白いんだけど、妻の言葉がモラルハラスメントに思えて手放しで楽しめない感じもする。シンプルに怠け者の妻を描けばよかったんじゃないかな。
 B おじさんドラマの集大成ともいえるのが、「バイプレイヤーズ」(東京系)。遠藤憲一や松重豊ら6人の名脇役が共同生活を送る。本人が本人役を演じ、おじさん同士がじゃれ合うゆるいドラマだが見ていてほっこりする。

次世代育成の場

  テレビ東京の深夜ドラマ枠は、「勇者ヨシヒコ」シリーズなど低予算を逆手に取り、自由に挑戦的な作品を次々生み出している。視聴率にとらわれず、次世代クリエーターを育成する実験場は必要だと思う。
  最近のドラマで気になるのは、番組の途中に「ラストに衝撃の展開が待ちうける!!」などのテロップが流れること。視聴者を逃がさない努力なのかもしれないが、おせっかいで興ざめする。どう感じ、どう見るかは視聴者にもっと委ねてほしい。
(2月11日付)
 

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