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2024年4月9日(火)

PFAS 世界の地下水汚染

欧米の基準超え多数

 世界各地の地下水などに含まれる有機フッ素化合物(総称=PFAS)の分析結果を評価したところ、欧米などで設定・提案されている飲料水の基準を、多くが上回っていたと、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学などの研究グループが8日付の科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に発表しました。

 研究グループは、2004年以降に世界各地で採取された地下水など4万5000以上の試料に含まれるPFASの濃度に関する273件の研究結果について検討しました。その結果、オーストラリア、中国、ヨーロッパ、北米で採取された試料に含まれるPFASの濃度が世界のほかの地域に比べて高いことがわかりました。

 PFASの生産施設や埋め立て地が発生源となっている地域や、PFASを含む泡消火剤が使用された地域などでは、発生源が不明の地域より濃度が高くなっていました。発生源が不明の地域でも、多くが、欧米などで設定・提案されている飲料水の基準を上回っていました。

 最も厳しい基準は米環境保護庁(EPA)が提案しているもので、1万4000種以上あるPFASのうち、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)について、それぞれ飲料水1リットル中4ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)とするほか、それ以外の4種類についてもまとめて規制するもの。発生源が不明な地域で、EPAの基準を超えていた割合は、PFOSが50%、PFOAが40%、それ以外の4種類の濃度は31%でした。

 数多くあるPFASの中には、濃度があまり測定されていないものがあります。このため、研究グループは、世界のPFAS汚染は考えられているより深刻ではないかと指摘しています。


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