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2024年3月27日(水)

きょうの潮流

 相撲が盛んな青森で幼少からとりくみました。強い力士を夢見て地域のクラブで励み、強豪ぞろいの日大相撲部へ。あの取り口のうまさはつみ重ねてきた稽古のたまものでしょう▼世紀をこえた快挙でした。110年ぶりの新入幕優勝、初土俵から史上最速の10場所で記録を打ち立てた尊富士(たけるふじ)。まだ大銀杏(おおいちょう)も結えない24歳は「記録も大事ですけど、みなさんの記憶に一つでも残りたくて、必死でがんばりました」と▼一方で心配なのはケガの具合です。取組中に痛めた右足首は靱帯(じんたい)の損傷で、当初は歩けないほど。救急搬送され、とても相撲は取れない状態だと親方も話していました。尊富士は過去にも膝の大ケガに見舞われています▼「記録的な優勝も大切だけど、まだ若く現役生活も長いのだから、絶対に無理はしないでほしい」。元横綱・若乃花はスポーツ紙で呼びかけ、相撲協会の八角理事長も無理をしては元も子もない、今後の相撲人生もあると懸念していました▼同じ部屋であこがれの横綱、照ノ富士から「お前ならやれる」といわれ出場を決めたという尊富士。その瞬間、自分でも歩けるようになったといいますが、それを美談とし、結果よければすべてよしで終わらせていいのか▼ケガを押して出場し、力士生命を縮め、引退に追い込まれるケースは数多く。最近の上位陣の不振も故障が主な理由です。若手が伸びて、ベテランも力を発揮する。そんな姿が大相撲の将来にもつながるはずです。長く人びとの記憶に刻まれるためにも。


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