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2024年3月23日(土)

AI安全性 初の決議

国連総会「国際人権法順守を」

 【ワシントン=島田峰隆】国連総会(193カ国)は21日、各国政府に対し、人工知能(AI)の開発や利用にあたって「安全で安心でき、信頼できるシステム」を重視するよう求める決議案を議場の総意により無投票で採択しました。国連総会がAIの安全性や規制について決議を採択するのは初めてです。

 決議は米国が主導し、日本を含む120カ国以上が共同提案国になりました。国連総会決議に拘束力はありませんが、急速に開発が進むAIへの対応について国際社会の総意を示した形です。

 決議は「国際人権法を順守して運用することができないAIシステムの使用を控えるか止めること」を国連加盟国に求めています。

 また国連加盟国、民間部門、市民社会、研究機関、メディアに対し「安全で安心でき、信頼できるAIシステムに関連した規制や統治のアプローチ、枠組みを開発、支持すること」を促しました。

 決議は2030年を達成期限とする国連持続可能な開発目標(SDGs)の実践に役立つAIシステムを呼び掛けました。一方で市民社会などから強い懸念が出ているAIの軍事利用の問題には言及しませんでした。

 国連総会は昨年12月には、AIが人間の判断を介さずに敵を殺傷する自律型致死兵器システム(LAWS)への対応が急務だとする決議を賛成多数で採択しました。


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