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2024年3月16日(土)

主張

自民破廉恥懇親会

露呈した根深い女性蔑視体質

 すべての国民があきれ果てているでしょう。自民党の青年局近畿ブロックが昨年11月、和歌山市内で行った会議後の懇親会で、露出度の高い衣装の女性ダンサーを招いて乱痴気(らんちき)騒ぎをした問題です。口移しでチップを渡している画像などが流出し、批判が殺到しています。国会・地方議員が参加しており、こうした企画を立案・参加し、破廉恥な行為を見過ごした政治家の資質、あぜんとする企画がまかり通る政党の体質そのものが問われます。

多様性が聞いてあきれる

 報道によれば、懇親会を準備した川畑哲哉・和歌山県議は企画の趣旨を「多様性」だと述べています。女性ダンサーを招くことがどう多様性につながるのか意味不明です。懇親会の参加者に女性は一人もいませんでした。男性しかいない会に女性を呼んだから「多様性」を持たせたとでもいうのでしょうか。

 青年局の催しに女性が一人もいない。それ自体、自民党の多様性のなさ、男女共同参画の取り組みの決定的な遅れを表しています。女性の参加を想定していたら、こうした企画が立てられたのか、破廉恥な行為が行われたのかと考えると、女性がいないのを当然の前提としている自民党の体質が際立ちます。

 口移しのチップの写真などを見ると、ダンサーが表現者として尊重されているわけではなく、女性による接待役、あえていえば性的な接待役扱いをされているとしか思えません。根底にあるのは、根深い女性蔑視です。この会に出席し、不適切な会だったとして党青年局長を辞任した藤原崇衆院議員は、報道陣から「ダンサーの体を触っていないか」と問われても、はっきり否定せず「当時の記憶では触っていない」と歯切れの悪い答えしかできません。

 川畑県議は離党届を出し受理されましたが、議員辞職は否定しています。離党というのは“党に迷惑をかけた”という表明にしかすぎません。政治家、公人としての資質が問われる問題で、離党ですませられることではありません。

 岸田文雄首相・自民党総裁は、内閣として目指している多様性とはどういうものかを国会で問われて「すべての方の尊厳が損なわれることのない社会」などと答えました。しかし、今回の懇親会が女性全体の尊厳を損なっているのは明白です。公党としての責任が厳しく問われます。

 この懇親会の費用が公費か否かについて、岸田首相は「県連が主催し経費を出しているが、公費は使われていない」と言います。しかし、お金に色はついていません。県連の資金に自民党本部からのお金があり、党本部の収入には税金である政党助成金が入っています。2022年、自民党本部の全収入に占める政党助成金の割合は6割を超え、政治活動の多くを税金に依存しています。国民は今回のような“政治活動”に税金を払わされているわけです。

国民の厳しい審判が必要

 昨年7月には自民党女性局の議員が研修先のパリで撮った写真が「観光旅行か」と批判を浴びました。今回の懇親会といい、国民生活からかけ離れた自民党の感覚が露呈しています。裏金問題に怒りが高まる中での不祥事発覚。国民の厳しい審判が必要です。


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