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2024年3月7日(木)

主張

予算委・裏金論戦

組織的犯罪に無反省浮き彫り

 日本共産党の田村智子委員長は5日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件が紛れもない組織的犯罪であることを明確に示し、徹底した事実解明と金権腐敗の根である企業・団体献金の全面禁止を求めました。しかし、岸田文雄首相はあくまで犯罪とは認めず、企業・団体献金の温存に固執し、事件にまったく無反省な姿勢を浮き彫りにしました。

「定義は承知しない」

 田村氏は質疑で、裏金事件の違法性を以下の3点にわたり明らかにしました。

 ▽自民党の全議員対象のアンケートの「調査結果」(2月13日)は裏金について「一部の派閥が(パーティー収入の)還付金を収支報告書に記載しないよう所属議員等事務所に指導していた」と述べています。総務省は、政治資金規正法は故意に収支報告書に記載しなかった場合、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金を定めていると答弁しました。派閥が記載するなと指導したことは犯罪を指導したことになります。

 ▽自民党の議員への「聞き取り調査」の報告書(同15日)は、裏金(還付金)を議員本人が管理していたのは12人としています。自分の口座で管理していた議員もいると報じられています。国税庁は、確定申告に所得を含めず所得税を免れた場合、10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金となると答えました。所得隠しも悪質な所得税法違反です。

 ▽アンケートの「調査結果」によると、裏金が参院選の年だけ膨れ上がっている議員が多数います。総務省は、公職選挙法によると、候補者の選挙運動への寄付、支出について選挙運動費用収支報告書に虚偽の記入をした場合、3年以下の禁錮または50万円以下の罰金になると答弁しました。裏金が選挙運動に使われていれば公選法違反の重大な疑惑になります。

 ところが、岸田首相は「組織的犯罪という定義は承知していない」と繰り返し、犯罪だという認識を一切示しませんでした。こういう態度では真相の究明は到底できません。公開での政治倫理審査会の開催、予算委員会での徹底審議、証人喚問などが不可欠です。

 政治資金パーティーは、政治家個人や派閥に対して禁じられている企業・団体献金の抜け道に他なりません。田村氏の調べによると、岸田首相の資金管理団体の2018~22年の収入約7億円の94%、約6億6千万円がパーティー収入となっています。首相が「(パーティーには)多くの企業にご参加いただいている」と答弁したように、パーティーという抜け道を使えば、企業・団体から多額の資金を集められることを示しています。

「透明性」繰り返すだけ

 「この抜け道を最大限利用して巨額のカネを企業・団体から集めて裏金にしたことが、(今回の)事件の本質」(田村氏)です。金権腐敗の根を断つには、パーティー券の購入や、政党や政党支部に対するものも含め、企業・団体献金の全面禁止が必要です。しかし、首相は「企業・団体献金の透明性を高める」と繰り返すだけでした。

 田村氏が指摘したように、企業・団体献金はカネの力で政治を動かそうとするもので、国民の参政権の侵害です。その廃止に背を向けることは許されません。


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