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2024年3月3日(日)

きょうの潮流

 障害のある人たちは障害ゆえにできない自分に気づき、いじめの体験がある一方で、自分で決める経験は少なく自己肯定感の低い人が多い―。千住真理子さんは、そう話します。元教員で、大阪府松原市の福祉型専攻科「ぽぽろスクエア」の職員です▼福祉型専攻科は、障害のある人が高等部卒業後に2~3年間通う学びの場です。そこで千住さんは性教育「こころとからだの学習」と進路「グッドライフ」の授業を担当▼「グッドライフ」では、相談できる力と自分の進路を考える力を育てることを大切にしていると千住さん。否定せずに話を聞くことで、青年らは自分の思いを語れるようになると▼男女のからだを学び、性交からいのちの誕生を知り、産道体験や沐浴(もくよく)体験をする授業も。自分の育ちに気づき、自身や付き合う相手を大切にする気持ちが芽生えます。「知りたいことが学べる」と大人気です▼「できない」「助けて」「わかりません」。これらが言えると、ほめられます。何をしてもいいとわかると要求が出る。要求がかなうと達成感が生まれ、意欲が育ちます。だからこそ話し合いが大切に。話し合いを重ねる中で安心や信頼が生まれます▼二つの授業を通して、青年たちは自分自身を知ることに。そして、自分のことは自分で決める力を獲得していきます。進路先、誰と付き合うか、誰が自分のからだに触れるのか…。自分の思いや願いを伝えられるようになると、生き方を決められるように。「人生の心の主人公」になるのです。


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