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2021年8月2日(月)

「核の時代」終わらせよう

原水爆禁止世界大会 科学者集会開く

 原水爆禁止世界大会・科学者集会が1日、オンラインで開かれました。150人を超える科学者らが参加。今年1月に核兵器禁止条約が発効したことを受けて「市民と科学者が力を合わせ『核の時代』を終わらせよう」と呼びかけました。


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(写真)核兵器廃絶に向けて議論した原水爆禁止2021年世界大会・科学者集会=1日(インターネット中継から)

 核兵器廃絶の運動に長年関わり「黒い雨」裁判でも被爆者救済のために尽力した、元気象庁気象研究所室長の増田善信さん(97)が「社会は私たちのたたかいで変えられることを実感した半生」という切り口で講演しました。生い立ちや気象を始めたきっかけ、測候所の職員となった後、太平洋戦争開戦で軍事機密となった気象予報を市民に伝えられなかった悔しさなどを回想。気象の専門家として「神風が吹いて必ず勝つという標語が不合理と分かっていても文句が言えなかった」と述べました。

 増田さんは、広島原爆投下後の「黒い雨」が降った領域調査に関わったいきさつを振り返り、7月の広島高裁判決と政府の上告断念に「運動をやってきてよかった」と述べました。核兵器を非合法とした条約が発効したもとで、具体化が大事だと強調しました。

 ビキニ水爆実験の核被災船員らの救済に取り組む「太平洋核被災支援センター」の濵田郁夫共同代表は、クリスマス島沖の核実験やその被害の事実を掘り起こす活動の内容を報告。関西大学の高作正博教授(憲法学)は、憲法9条と自衛隊の実態、抑止力論などについて解説し、「軍事力によらない平和」への揺るぎない道しるべとしての9条の輝きを強調しました。

 韓国で平和運動と関わり朝鮮半島と日本の関係を研究している韓神大学統一平和政策研究院のイ・ジュンキュ上級研究員は「朝鮮半島の戦争構造」が相手の存在を認めない正当性を懸けた対決となっており、それが行き詰まった段階として核対決構図があると指摘。平和体制への転換を訴えました。


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