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2021年5月24日(月)

きょうの潮流

 車いすの人、盲導犬と参加する人。脳性まひで車いすを使う天海(あまがい)正克さん(71)が千葉市などを訴えた裁判の判決日、千葉地裁に多くの支援者が傍聴に駆けつけました▼「人間として生きる権利を奪われた」と訴えてから5年半。多くの仲間たちが見守るなかでの判決でした。ところが裁判長の言葉は何を言っているのか分かりづらく、原告側の弁護団も戸惑っている様子。傍聴席がざわつくなか、裁判長らは扉の奥に…▼障害福祉サービスの利用者は65歳になると、介護保険サービスへの移行を求められます。低所得の天海さんは無料で障害福祉サービスを利用できますが、介護保険だと原則1割の利用料が強いられます▼しかし千葉市は介護保険の要介護認定の申請をしなかったことを理由に、天海さんの障害福祉サービスの継続申請を打ち切りました。「市が障害福祉サービスをすべて奪うことは、生活全部を奪うことに他ならず、許すことはできない」▼判決は不当なものでした。「正当な理由がない限り」、千葉市は障害福祉サービスの申請を却下してよい。市が介護保険を利用させなければ、「公費負担の制度よりも社会保険を優先するという社会保障の基本的な考え方」に背くとともに「他の者との公平に反し」ふさわしくないと▼自治体の意に沿わない障害者を福祉サービスから排除することを容認する非情。憲法と障害者権利条約に反する、こんな判決は認められない―。天海さんと仲間たちは、たたかう決意を新たにしています。


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