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2021年1月17日(日)

きょうの潮流

 コロナ禍のもと、16日から大学入学共通テストが始まりました。受験生の側も試験を実施する側も、感染対策に大きな労力を割き、不安を抱えながらの試験となっています▼思えば、今年の受験生は「入試改革」に翻弄(ほんろう)されてきました。英語の試験に英検やTOEFL(トーフル)など民間事業者の試験を活用する。国語と数学の試験には記述式を導入し、採点を民間にゆだねる。その採点者の多くはアルバイトの学生▼そんな「改革」に大学や高校、さらには予備校などの関係者から厳しい批判が。なにより受験の当事者である高校生が怒りの声を上げ、中止を求める行動に立ち上がりました。彼らは文部科学省前でも「きちんとした入試制度をつくってほしい」と訴えました▼それでも強行しようとした政府。民間試験を活用すれば経済的な状況によって有利不利が生まれるという批判に対して、萩生田光一文科相は「身の丈に合わせて勝負してほしい」と言い放ちました▼しかし、この発言が怒りに火をつけ、中止を求める世論がいっそう広がりました。英語民間試験も記述式も「延期」「見送り」に。高校生たちは行動すれば変えられるという確信を持ったのでした▼「改革」に振り回された今年の受験生をさらにコロナ禍が襲いました。長期の休校時には不安もあったことでしょう。紆余(うよ)曲折を経て迎えた異例ずくめの大学入試。多くの困難の中でこの日を迎えた受験生のみなさんにとり、よりよい結果となることを願わずにいられません。


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